元高野連会長・脇村春夫氏 甲子園優勝、東大出身…でも飾らない野球が大好きな少年のよう

スポーツ報知
元日本高野連会長の脇村春夫氏

 脇村さんの功績は別の原稿に譲り、ここでは人間的魅力に触れたい。気高く近寄り難かった日本高野連会長のイメージを覆し、取材や食事のお願いもウェルカム。皇后さまはいとこにあたり、甲子園優勝サードで東大出身…。遠い世界の人のようでも、会いに行ける会長を貫いた。

 飾らない野球大好き少年のまま年齢を重ねた。フットワークが軽く、「僕はね、会長として47都道府県を視察したんだ」とうれしそうに話す顔が忘れられない。春、夏は大会前の甲子園練習を熱心に見学。試合後は必ずインタビュー通路に現れ、スターに限らず、選手に声をかけた。05年は噴火による全島避難を終えた都三宅高を訪問。マイユニホームで練習に交じった。

 ほほ笑ましい一面も多い。05年センバツ入場行進曲がサザンオールスターズの「君こそスターだ」に決定した時のこと。出身は湘南高ながら、主催者は「会長はサザンをご存じなかった」と説明。携帯電話を持たない自由人でもある。

 閉会式講評は自分の言葉にこだわり、おなじみの「見逃し三振はいけません」は生き様。在任6年ながら、球児に寄り添い、平成高校野球の象徴と呼べる存在だ。(04、05、07年アマ野球担当・田島 正登)

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