桑田真澄氏が茨城・常総市で講演「短時間集中型の努力と自分らしさを大事に」

スポーツ報知
茨城・常総市内で行われた講演会で中学球児らとふれあう桑田真澄氏

 元巨人、パイレーツ投手のスポーツ報知評論家・桑田真澄氏(50)が20日、茨城・常総市の常総市地域交流センターで行われた「生涯学習講演会」(主催・茨城県県西生涯学習センター)に登壇。「夢をあきらめない」をテーマに1時間30分にわたって熱弁をふるい、オーディエンスから万雷の拍手が送られた。

 知性派の桑田氏だが、同学年の中で最も遅い誕生日となる4月1日の生まれだったこともあり、小学生時代は学力面でも後れを取っていたという。そこから最善の方法を探し、確立して、短時間集中で実行することの重要性を学んだ。

 「周りの秀才や先生に分からないことはどんどん聞きに行きました。小さな成功体験を積み重ねると、自信が芽生える。努力ってすごいな、楽しいなと最初に気づかせてくれたのは、僕にとって勉強でした。その努力を野球に生かしていったんです」と当時を振り返った。

 憧れのPL学園に入学後は、同世代の有望選手に比べて小柄だったことや、雑用の厳しさに心が折れそうになり、母・敏恵さんに「もう無理や」と泣きつくこともあったと明かした。「そんな時、『自分の夢は簡単にあきらめちゃダメよ。何かいい方法があるはずよ』というおかんの言葉に救われたんです。あの言葉で『もう一度頑張ろう』と思いとどまることができた」と感謝した。

 この日の講演会は、応募者2500人から抽選で選ばれた老若男女1000人が集結。桑田氏は壇上からオーディエンスにも発言を求める“ゼミ形式”でアットホームに語りかけ、和やかな雰囲気でトークは進んでいった。中学球児には「基本や常識は大事ですが、もっと大事なのはそれが自分に合っているかどうか、検証すること。春夏の甲子園で20勝できたのは、自分らしさをテーマに高校時代を過ごせたことが大きかったです。皆さんも短時間集中型の努力と、自分らしさを大事に日々を過ごして下さい」とエールを送った。

 同市は2015年に鬼怒川が氾濫し、大規模な浸水被害が出た「関東・東北豪雨」から復興に向けて奮闘を続けている。客席で聞き入った神達岳志市長(49)は「桑田さんのお話からは、野球道が人間道につながっていると感じた。若い世代に活力あふれるメッセージをいただけて、心から感謝したい」と語った。

野球

×