鈴木聖歩らJR東日本東北に内定選手6人加入「東北に戻りたいという気持ちが強かった」

スポーツ報知
新たに加わったJR東日本東北の選手たち。前列左から菅野赳門、鈴木聖歩、小山倭誠、後列左から西藤慶人、桜糀大輝、山田周平(撮影・有吉広紀)

 社会人野球・JR東日本東北の入社内定選手6人が、5日までにチームに合流した。岩手県出身の桜糀大輝投手(22)=中部学院大=は、高校、大学と結果を残せなかった全国舞台で力投すると決意。宮城県出身の鈴木聖歩(せいふ)外野手(21)は、東日本大震災で被害を受けた地元・女川町に元気を届けるプレーを誓った。

 大学4年間の経験を糧に、故郷で成長した姿を見せる。JR東日本東北の新人、桜糀と鈴木聖の思いは一つだ。「東北に戻りたいという気持ちが強かったし、東北を代表するチームでやりたかった」と桜糀が話せば、鈴木聖は「一番最初に声をかけてくれたし、(練習参加時に)雰囲気が良くてここでやりたいと思った」と続けた。

 盛岡大付(岩手)で現ソフトバンク・松本裕樹投手(22)と同期だった桜糀。全国大会では苦い経験しかしていない。高3夏の甲子園は3回戦・敦賀気比戦に2番手で登板し、4回1/3を投げて7安打5失点。中部学院大でも4年秋の明治神宮大会1回戦・関西国際大戦に2番手で登板し、1回1/3を投げて2安打4失点と打ち込まれた。桜糀は「全国では何一つ結果を出していない。いい投球をみせたい」と意気込む。大学では主にセットアッパー役で、終盤の短いイニングを投げてきたが「ここぞ、という場面で任せられるようになりたい」と意欲を見せる。

 鈴木聖は東日本大震災による津波で、女川町にある祖母の自宅や父の会社が流された。東北(宮城)から桐蔭横浜大に進み、毎年末に帰省すると「新しいものができて変わったな、と思うこともあるし、まだこのままなんだと思うこともある」(鈴木聖)。距離が近くなったことで、地元の友達からも「試合の応援に行く」と言葉をもらったと喜ぶ。自信のある巧打を発揮し、1年目から定位置奪取といきたいところだ。

 チームは社会人野球日本選手権に3年連続出場も、都市対抗野球は2015年以来遠ざかっている。新人6選手が起爆剤となり、4年ぶりの都市対抗出場をつかみ取る。(有吉 広紀)

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