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元メジャーリーガーも感動させた楽天・佐藤コーチのブレない指導方針

2018年2月5日18時25分  スポーツ報知
  • 松井裕を指導する佐藤コーチ

 キャンプの醍醐(だいご)味の1つに、新戦力の台頭があると思う。選手に限らず、コーチだって、そう。初めての楽天取材で沖縄・久米島をのぞくと、独特の空気が流れていた。初日に全22投手がブルペン入りしたが、バッテリー間で変化球の合図はなし。全員、オール直球。それは4日までの第1クールを通じて変わらず、投手陣はひたすら、真っすぐだけを投げ込んでいた。

 仕掛け人は佐藤義則投手コーチ。今季ソフトバンクから4年ぶりに復帰した。阪神で井川、日本ハムでダルビッシュ、楽天でマー君と後のメジャーリーガーを育ててきた手腕に、オール直球の意図を探った。

 「腕を振るための準備だよ。この時期に、変化球はいらんだろ。阪神や日本ハムでも? やってない。ソフトバンクの途中から。前に楽天にいたときも、やってない。今は若い投手が増えたから。第2クールから変化球を解禁? それはどうかな。でも、(11日の)紅白戦は真っすぐだけじゃ無理か。打たれすぎて、試合が終わらんかったら、困る」

 返答はのらりくらりだったが、要は真っすぐ重視。変化球を投げるにしても、腕を振らないと生きない、ということだろう。とことん直球オンリーの方針には、元メジャーリーガーも驚いていた。

 パイレーツなどでメジャー通算27勝左腕だった、レッドソックス傘下1Aグリーンビルのボブ・キッパー投手コーチが、研修コーチとして合流。「投手がブルペンで真っすぐだけを投げていることに、すごく感動した。米国では、見られないことだ。それも内、外としっかり投げ分けている。日本の投手が真っすぐをいかに大事にしているかが分かった」と語った。米国ではツーシームなど動く球が主流。日本でも近年、カットボールなど微妙に変化する球が投球の幅を広げてきたが、基本はブレない。

 久米島取材の最後の夜。2軒目のスナックを挟み、どこだったか3軒目でほとんど寝ていたらしい記者も、「真っすぐ」帰ることの大切さを痛感した。(記者コラム・山崎 智)

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