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憧れの選手がいなかったドラ1ルーキーが目を輝かせたのは…

2018年2月7日0時0分  スポーツ報知
  • オリックスのドラフト1位ルーキー・田嶋大樹投手

 「参考にしている選手ですか? 自分、そういう方はいないんですよね」。「憧れていたプロ野球選手ですか? それもよく聞かれます。特にいないんですよ」。

 1月10日、オリックスの新人合同自主トレ初日。会って間もないドラフト1位ルーキーの田嶋大樹投手(21)=JR東日本=に質問をぶつけ、帰ってきた言葉だ。プロに上り詰めた選手の原点の多くは、少年時代にテレビや球場で目に焼き付いた名選手たちのプレーやスタイル。それでも、田嶋にはそれはなかったという。「誰かを見て、まねしようとか、参考にしようとかもなかったですね」

 もともと、プロ野球もほとんど見ず、同世代やライバルにも強い思い入れを感じない。「あまり周りを意識したことはないですね」と淡々と話す。ある球団のエース格の選手の名を挙げると「あぁ名前は。うん…よく分からないです…」と答えが返ってきた。プロ野球選手だが、野球の話が思うように弾まなかった。

 しかし、そんな彼が、目の色を変えて話すのは日本代表について。4日の宮崎春季キャンプを侍ジャパンの稲葉監督が視察。田嶋のブルペン投球を見て高評価したことを伝え聞くと、強く反応した。「野球をやっている以上は日の丸を背負ってやりたいとずっと思っていました。東京五輪があるので目指してやっていきたい」。強いこだわりと決意を隠さなかった。

 田嶋は、いつだってモチベーションは日の丸だったと振り返る。「(高校、社会人、プロなど)そのくくりで1番上になりたいって、ずっと思っていました」。社会人時代は、最高峰が社会人日本代表選手だと思い、そこに至るまでにどういう結果を残せばいいのか、そのためにどう練習すればいいのかを逆算して過ごしてきた。

 だからこそ揺るがない。「まわりと比べてどう、というより、自分がちゃんと前より成長しているかと毎日思っていましたし、それが分かったときはうれしかったですね」。イメージは、足元の一段一段をしっかりと上り、高みを目指して行くことだという。田嶋は、ぶれない太い芯を、21歳にしてすでに持っているようだ。(記者コラム・原島 海)

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