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最後は自分の目を信じる―キャンプ密着で見えたDeNA・ラミレス監督の指導哲学

2018年2月26日16時0分  スポーツ報知
  • 取材陣とともに散歩するラミレス監督(中央)

 DeNA担当になり約2か月。ラミレス監督の人柄、野球観に触れるにつれ、昨年、リーグ3位から日本シリーズに導いた理由が垣間見えてきた。

 キャンプ中は1クールに数回、「ラミ散歩」が行われる。練習前、沖縄・宜野湾の球場周辺の海岸を約30分、担当記者の質問に答えながら歩く。他球団でも朝、散歩する監督は多くいるが話題は「昨晩食べたもの」や「休日の過ごし方」など野球とは関係のないものがほとんどだ。こちらも気を使い、朝イチから野球の深い話をしないのが暗黙の了解だと思っていた。

 しかし、ラミレス監督は違う。我々に対するサービス精神という側面もかなりあるのだろうが、こちらから軽い話題を振っても、気づけば自ら野球、チームの話を熱弁している。

 ヤクルトのキャンプに青木が合流した頃は「では外野のスタメンはどうなるんだ? 坂口は去年ウチに対して3割打っている(実際は3割5厘)。青木は活躍するだろうけど、坂口の出番がなくなるのだったら助かることになるかもしれない」などと報道陣に逆質問。用意しているわけでなく、頭の中には常に数字がインプットされ、シーズンを見据えているのだろう。

 まだキャンプ中であるのに、1、2軍の入れ替えも多く、その決断は早い。1軍の試合で失点した投手をわずか1試合だけで降格させたこともあった。もちろん選手の状態は常にチェックしているはずで、結果だけで判断したわけではないのだろうが、即決だった。

 一方、1軍の休日には必ず2軍の練習、試合をチェックしにいく。そこで好調と認めた9年目右腕の国吉をその日のうちに昇格させた。状態がいい高卒1年目左腕の桜井=日大三=も1軍のオープン戦に呼び投げさせるなど、既成概念にはとらわれない。

 データを駆使し、最後は自らの目を信じてフレキシブルに動くラミレス監督。就任3年目でチーム20年ぶりのリーグ制覇へ向かう指揮官の手腕が楽しみだ。(記者コラム・岸 慎也)

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