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スタートダッシュ失敗と夏場の失速…昨年とは違う今年の楽天の負け方

2018年4月23日18時30分  スポーツ報知
  • 22日の試合で左前打を放ったフェルナンド

 1年前は何してたっけ―。日々の生活でそう思ったり、振り返ることは少なくないだろう。「去年のお正月は〇〇食べたな」とか、「去年のゴールデンウィークは〇〇に行ったな」とか。その季節特有の空気、景色、天気などでふと思い出すことも多いはずだ。

 私は今年で楽天担当2年目。1年のサイクルでシーズンが回るプロ野球記者も例外なく、たびたび前年を振り返る。開幕からのスタートダッシュに失敗し最下位の楽天を取材していると、毎日のように1年前を頭に浮かべる日々だ。去年は強かったな―。

 17年の楽天は開幕4連勝。4月の終わりには貯金10になり、8月中旬までは首位を争っていた。だが今年はここまで6勝14敗1分で最下位(23日現在)。1年前に何してたかな、と思って振り返ってみると、5月末に私は「今季、楽天の好調を支えているのは『いい負け方』である」という見出しがついたコラムを執筆した。42試合で連敗が1度しかなく、負け試合でも相手の勝ちパターンの投手を引きずり出し、完敗が少ないといった内容だ。

 交流戦を前に42試合を戦って12敗しかしてない(今季はすでに21試合で14敗)ということにまず驚いたが、今季も楽天が浮上するきっかけが「負け試合」に隠されているような気がした。

 実はここまで5点差以上つけられてのいわゆる「完敗」は22日のオリックス戦(楽天生命、0●8)のみ。梨田監督も毎試合のように「あと1本が出ていれば変わった」、「あのホームラン1本が痛かった」と試合後には振り返っている。

 例えばリリーフ陣。守護神・松井を筆頭に福山、ハーマン、高梨と昨季ブルペンを支えた投手が思うような結果を残せていない。だが、例えば昨年のドラフト9位で入団したサイド左腕の高梨。1年前は敗戦処理や左のワンポイントが主な仕事場で、5月には2軍落ちも経験した。そんな左腕はシーズン終盤には貴重なリリーフの一角に成長し、今年3月には侍ジャパンにも入った。

 今季見てみると、勝ち試合での登板の少ない釜田や浜矢、菅原らが重圧の少ない場面とは言え安定した成績を残している。さらに則本、岸、藤平を中心とした先発陣は12球団屈指の安定感。プロ2年目の池田、藤平は中継ぎの不調もあって長めのイニングを任されることも増えた。

 打線もパ・リーグワーストのチーム打率2割2分2厘と苦しむが、島内がケガで離脱した穴にオコエ、八百板、フェルナンドといった若手がしのぎを削っている。オコエも「チャンスだとは思う」と気合十分だ。今は結果に結びついていないが、地道な“種まき”は続いている。

 昨季は8月以降に急失速。シーズン前に梨田監督は何度も「夏場以降も失速しないような戦いをしたい」と繰り返して来た。開幕から7カード連続勝ち越しなしと苦しい戦いが続いている楽天。今まいている“種”が夏場に大きな“花”に育てば、シーズン終盤に「去年はこの時期、毎日負けてたな」と笑い飛ばすことが出来るかも知れない。(記者コラム・安藤 宏太)

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