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その一瞬を捉えるために、カメラマンも命がけ

2018年5月29日18時4分  スポーツ報知
  • 地方球場ではグラウンド内で撮影するため、選手はまさに目の前

 巨人担当のカメラマンになり2年、全身を揺さぶる瞬間や選手の表情に圧倒される時がある。その一瞬を撮影するのがスポーツの写真を撮る醍醐味だと思う。しかし、その瞬間をとらえるためにカメラマンは色々な準備や苦労が必要だ。ベンチ横のカメラ席は選手の表情がよく見え、ファンの人からすれば特等席のように思うかもしれないが、そこでのカメラマンの準備や苦労を紹介したいと思う。

 まずはカメラ席のスペース内でも場所によって良い悪いがあり、その場所は巨人戦など多数のカメラマンが集まる場合、試合開始2時間前に抽選で決める。抽選結果の良かった会社から位置を決めるが、人気は内側(ベンチ寄り)。ベンチの中の監督や選手の表情や本塁打で生還しナインとハイタッチをする選手が撮りやすいからだ。しかし、ここで注意しなければならないのが攻撃中にキャッチボールで調整する投手である。多くはカメラ席の前でキャッチボールをするため、運が悪いと前に立たれて何も撮れなくなってしまう。こんな時はとっさに移動して撮影するが、送信用のパソコンまで持って歩き回れないため、締め切り時間に追われる新聞社のカメラマンにとっては、とても重要な撮影位置決めなのだ。

 ベンチ横は試合を近くで見ることが出来るが、一番危険な場所でもある。試合中にファウルボールが飛び込むのを見たことがあるだろう。投手を撮影していると打球の行方が分からず対応に遅れることもあり、ライナーだと当たり所が悪かったら命の危険すらある。東京ドームなど常設球場ではカメラ席の前にフェンスがあり多少は守られているが、地方球場になるとカメラ席が無かったり狭くて入りきれないからと、グラウンド内に特設のカメラ席が用意される。もちろんフェンス無し、白線で囲われただけで危険度も高くなる。運が悪ければカメラに当たって故障することもあり、いくら慣れてもボールの行方を気にしながら撮影はとても疲れる。

 今回はほんの一部を紹介したが、選手を撮影するカメラマンは色々な準備をし、危険と隣り合わせで撮影している。少しでも全身を揺さぶる瞬間を撮影し写真の醍醐味を味わってもらえるために…今日も私たちは選手にレンズを向ける。(記者コラム・中島 傑)

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