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“松坂世代”大西氏、新監督就任!セカンドキャリアを支援!自身も「昼は野球、夜は焼肉屋」

2018年7月4日16時8分  スポーツ報知
  • プロ野球独立リーグのベースボールファーストリーグに新規加盟する球団の新監督に就任した大西宏明氏

 野球の独立リーグ「ベースボール・ファースト・リーグ」(BFL)で、大阪府堺市を拠点とした市民球団の設立発表会見が行われ、元オリックスの大西宏明氏(38)が初代監督に就任することを発表した。

 堺市出身の大西監督は、ボーイズリーグ「堺ビッグボーイズ」に所属。PL学園、近大を経て2002年ドラフト7巡目で近鉄に入団。その後は合併したオリックス、横浜(現DeNA)、ソフトバンク(育成選手)でプレーした。PL学園高時代の98年には平石洋介(楽天監督代行)らとともに、松坂大輔(現中日)を擁する横浜高と延長17回の死闘を繰り広げた、いわゆる“松坂世代”。「松坂大輔が(NPBで)ユニホームを着てる姿を見ると、僕もまたユニホームを着られる喜びがある。松坂からホームランを打てる選手を出したいし、(活躍して)平石を楽にできる選手も出したい」と指導者としての思いを口にした。

 11年に現役引退してからは、大阪・心斎橋で焼き肉店「笑(わら)ぎゅう」のオーナーを務めている。経営は実弟に任せながら、自身もできる限り店に顔を出す。「全力で昼は野球、夜は焼肉屋として精いっぱい頑張ります」と話したが、印象的だったのは、この新球団が選手の現役引退後の人生について、現役時からデュアルキャリアとしてしっかりと意識していたところだった。

 「夢を追うだけでなく、夢をあきらめるための場所でもある。ここに来る選手の9割、9割5分が僕らのチームで野球を終えることになると思う。そういう選手にもここに来てよかったなと思ってもらいたい」と大西監督は言った。新球団を運営する「株式会社つくろう堺市民球団」を経営する「NOMAL」は、採用・組織コンサルティングをメイン事業としており、BFL選手のセカンドキャリア支援イベントに関わったことをきっかけに、球団設立に至ったという。

 球団代表を務める夏凪一仁氏(38)によると、デュアルキャリア支援を活動の一環に掲げ、現役のシーズン中にもビジネス研修などを行うことを考えているという。「セカンドキャリア支援を考えているチームはあるが、仕組み化して取り入れている所はないと思う。球団経営をしたことがないので、いろんなことにとらわれずにやっていきたい」と話した。地元密着を掲げるだけではなく、経営資金の一部をクラウドファンディングで集めたり、ウェブを活用して収益や知名度を上げることを掲げるなど、従来の市民球団にはなかった方法を模索している。

 独立リーグからNPBや海外の球団でプレーした例はあり、もちろん活躍次第ではその可能性がない訳ではない。だが、きれい事だけではどうにもならないのも現実。どんなに実績のある選手もキャリアを終え、第2の人生を歩まなければならない。その意識を持たせ、どこかで踏ん切りをつけ、社会に出るためのトレーニングを積ませるのも大事な役割だと考えている。「野球がなくなっても人生は捨てたもんじゃない。僕も選手と一緒に成長していきたい」と大西監督は前を向いた。

 新規加入するBFLは2014年からスタートし、今季は兵庫ブルーサンダーズ、06BULLS、和歌山ファイティングバーズの3球団でリーグ戦を開催している。新球団は9月をめどに公募で決定し、11月以降に選手トライアウトを実施し、来春開幕のシーズンから参戦する。(記者コラム・河井 真理)

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