•  スポーツ報知のWebサイト限定コラムがスタートしました。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

「こういう試合は忘れた方がいい」大勝にも毅然 栗山監督が求める“日本ハムらしい”戦い 

2018年7月12日12時1分  スポーツ報知
  • 栗山監督

 日本ハムが44勝34敗1分、貯金10の2位で前半戦を終えた。首位・西武とは2・5ゲーム差で、16年以来2年ぶりの優勝も狙える好位置に付けている。

 前半戦最終戦となった10日のソフトバンク戦(東京D)は、予想外の一方的な展開となった。日本ハム打線は今季最多の19安打12得点、投げては先発・上沢が8回3安打無失点の快投でソフトバンクを圧倒。これ以上ない、最高の形で前半戦を締めくくった。だが、試合後の栗山英樹監督(57)の表情に笑顔はなく、むしろ普段以上に険しく見えた。そして自らに言い聞かせるように、こう言った。

 「こういう試合は忘れた方がいい」

 意外な言葉だった。指揮官は、大勝から生まれるわずかな隙を警戒していたのだろう。どんなに大勝しようと、1勝は1勝。143試合という長丁場を戦い抜く上で、この日は偶然に大量得点が生まれただけ。すでに後半戦を見据えているからこその言葉に聞こえた。

 指揮官の言葉を聞いて、6月初頭に主将・中田が語った言葉が思い出された。直近の3試合で計24得点を挙げていたチーム状況について、中田は「ここ数試合、うちの打線が爆発しているけど、うちの野球はああいう野球じゃない。1点を守り抜くのがうちの戦い方」と言った。緻密な野球で確実に得点を奪い、守り勝つ。栗山監督の下で築き上げられた“らしさ”を失ってはいけない―。そういった意図での発言に思えた。

 事実、球場を後にする際、栗山監督は「こういう大勝の後の方が怖い。ここから少し(後半戦再開まで)空いてくれるから、(大量得点の)イメージが消えてくれることがありがたい」と話した。前半戦を2位で終えたことを気にするそぶりも見せず、その目はすでに後半戦、さらにその先の優勝争いを見据えているように感じられた。

 2年ぶりの優勝は射程圏内にある。指揮官は「ここからはみんなで1つずつ勝っていくしかない」とチーム一丸で戦い抜く姿勢を強調した。後半戦は16日から再開される。指揮官の意図は、きっとナインにも伝わっているはずだ。残り64試合。日本ハムらしさあふれる戦いで、白星を積み重ねていく。(記者コラム・小島 和之)

コラム
今日のスポーツ報知(東京版)
報知ブログ(最新更新分)一覧へ