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男・村田らの背中に学んだプロ意識 BC栃木初のドラフト指名選手・内山の飛躍に期待

2018年10月29日16時36分  スポーツ報知

 10月25日のプロ野球ドラフト会議で、ルートインBCリーグ・栃木の内山太嗣捕手(22)がヤクルトから育成1位で指名された。栃木といえば今季、前巨人の村田修一氏(37)=来季から巨人ファーム打撃コーチ=がNPB復帰を目指して入団し、一気に注目を浴びたチーム。残念ながら村田氏の選手としてのNPB復帰はならなかったが、BCリーグが理念として掲げる「NPBプレーヤーの育成」に、球団創設2年目で初めて成功した。

 八戸工大一高(青森)―トヨタ自動車東日本では目立った実績がなかった内山が、育成とはいえNPBプレーヤーの一員になれた背景には、やはり今季ともにプレーした村田氏ら元NPB組の存在があった。

 夢をつかんだ内山は言う。「お二人から共通して教わったことは、自分のプレーに責任を持つこと。責任を持つためには力をつけなきゃいけないし、練習しなきゃいけないということです」。“お二人”とは村田氏と、同じく昨年までヤクルトでプレーしていた飯原誉士コーチ兼外野手(35)。両者とも“専任”の指導者ではなく、プレーヤーとして共に汗を流し、勝利を追い求めるチームメートでもあった。そのプレーや練習に臨む姿勢、さらにはグラウンド以外での言動など、すべてが生きたお手本だったことは想像に難くない。

 もちろん具体的な指導もあった。村田氏からは特に配球面についてアドバイスされたり、意見を交わすことが多かったという。飯原兼任コーチからは連日付きっきりで打撃指導を受けた。夜間練習など、プロに匹敵する練習量を重ねたことで、課題だった打撃が一気に進歩。「春先から肩はすごかったけど、打つ方は全然ダメだった」(村田氏)はずが、7月には月間打率5割1分3厘(39打数20安打)でリーグ月間MVPを獲得、NPB球団に大きくアピールすることができた。

 2人に加え、育成選手としてソフトバンクに2年間在籍経験がある八木健史コーチ兼捕手(28)からも、自慢の強肩を生かすテクニックを学び、盗塁阻止率も大幅アップ。元NPB組から、文字通りプロの“心”と“技”を吸収してつかんだドラフト指名だった。

 ドラフトから2日後の10月27日。BC栃木のファン感謝デーに参加した内山は、村田氏から祝福の言葉とともに「もっともっと配球を勉強しろよ」と激励された。村田氏もまた「若い選手が急成長する姿を目の当たりにできた」と、内山の姿にこれから歩む指導者生活のヒントを得たようだ。

 実は「指導者の資質を高めること」もBCリーグが掲げる理念のひとつだ。アマチュア資格を再取得して高校や大学で指導する元NPB選手も増えている。同時に、独立リーグでも元NPB組のビビッドな理論や技術がNPBを目指す若い選手に還元されつつある。どちらも将来の球界発展や野球振興の大きな力になるはずだ。(記者コラム・星野 和明)

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