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今秋ドラフト1位候補の創志学園・西純矢が語る3つの進化

2019年3月13日16時0分  スポーツ報知
  • 9日の丸亀城西戦に登板した創志学園の西

 今秋ドラフト1位候補で創志学園(岡山)の西純矢投手(新3年)が9日、香川・丸亀市内で行われた丸亀城西との練習試合で、今季初めて登板した。先発で5回無失点1安打1四球、毎回の8三振を奪い、二塁も踏ませない圧巻の投球だった。8球団11人のスカウトが視察し、ロッテのスピードガンでは149キロを計測した。「全然(試合で)投げていなかった割には、いい球がいっていた。直球が良かったので、ほかの変化球も生きていた」と、本人も手応えをつかんでいた。

 阪神の西勇輝投手を遠戚に持つ右腕は、昨夏の甲子園で注目を集めた。創成館(長崎)との1回戦で4安打16奪三振の完封。2年生投手が16K以上で無四死球完封を達成したのは、1948年の学制改革以降初の快挙だった。続く下関国際(山口)との2回戦では、ド派手なガッツポーズを球審に注意された影響もあって制球を乱し、9四死球を与えて4―5で敗れた。

 昨秋の中国大会は、準決勝で広陵(広島)に0―7で8回コールド負けし、第91回センバツ高校野球大会(23日から12日間・甲子園)に選出されなかった。7回まで0―1だったが、8回に自身の失策でピンチを広げ、この回だけで6失点した。

 これまでの反省を生かし、丸亀城西戦では冬場に取り組んだ練習の成果が随所に表れていた。

 〈1〉脱力投法 今冬の練習中に自己最速を2キロ更新する152キロを記録。初登板で149キロを出したことに「全然、力を入れて投げていなかった。140キロ前半ぐらいの球をイメージして投げていた」と、驚いていた。「直球を投げるときに、今までなら全力で腕を振ってしか投げられなかった。力感がないフォームで、伸びのある球が投げられていた」

 〈2〉カーブの精度向上

 「今まではカーブを投げるときに少し腕が緩んだり、抜け球が多かった。腕を振っても、ブレーキが利いたカーブを投げられていた」

 球種は得意のスライダーのほか、フォーク、チェンジアップがある。フォークより握りが浅いスプリットを練習中だという。「昨秋はカウント3―2でよくフォークを投げていたけど、打者が振らなくて四球になっていた。スプリットは(打者の手元で)急に落ちるので手が出やすい。それでカウントを取れていた」

 〈3〉精神面の成長 昨年11月中旬から月に1度、西だけメンタルトレーナーの指導を受けるようになった。この試合では味方が失策をしても、自滅することはなかった。「(昨秋の)広陵戦は自分から内野に声をかけられなかった。今まではエラーをしたら『放っておけ』となっていた(笑い)。特に二塁と遊撃に声をかけるようにして、連係を取ってやっている」

 広陵戦は自身のミスから大量失点につながったため、内野ノックにも入ったり、ゴロ捕球を多めに練習してきたという。長沢宏行監督(65)は「帽子も脱げないし、ガッツポーズもしないし、大人の投球だった」と褒めた。

 今秋ドラフトは西のほか、センバツに出場する星稜(石川)の最速150キロ右腕・奥川恭伸と横浜(神奈川)のMAX153キロ左腕・及川(およかわ)雅貴、大船渡(岩手)の最速157キロ右腕・佐々木朗希(ろうき)の「BIG4」が注目を集めている。

 同学年のライバルに負けじと、最後の夏に向けて、西がどのように成長していくかも楽しみだ。(記者コラム・伊井 亮一)

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