【女子野球】ハナマウイ、強敵破り創部2年でアマ女子野球の頂点に

スポーツ報知
初優勝し喜ぶハナマウイのナイン(カメラ・軍司 敦史)

◆女子硬式野球伊予銀行杯 第14回全日本選手権大会最終日▽決勝 ハナマウイ3―2尚美学園大(9日・松山市マドンナスタジアム)

 創部2年目のハナマウイ(東京)が、5度目の優勝を狙った尚美学園大(埼玉)に逆転勝ち。アマ女子野球の頂点に立った。

 ハナマウイは都内の介護サービス会社が昨年設立したクラブチーム。大学などを卒業して野球を続けたい女子が働きながら続けられる受け皿として、侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」主将の出口彩香(26)ら有力選手らが加入。昨年は部員10人ながら準決勝まで駒を進めた。

 今年は部員も17人に増え、昨年以上の成績を合言葉に決勝進出を達成。その勢いのまま悲願の日本一を狙って、今春に尚美学園大を卒業した花ケ崎衣利(22)が先発した。

 花ケ崎は初回こそ2四球と二塁打で2点を失うが、その後は安定し4安打完投。打線は5回に達磨沙嬉(22)のスクイズで1点を返すと、6回には1死二、三塁の好機に林佳奈子(24)が右中間に逆転の三塁打、尚美学園大のエース・田中露朝(22)を打ち崩した。

 マドンナジャパンのメンバーでもある田中は連投ながら、この日もスライダーの切れが良く、ナインは打席の位置を前に立って曲がりきる前を右方向に返すことを徹底した。「いい球が来たら右に返すことだけを考えた」という林は、大体大時代の2年前に決勝で敗れていただけに、全国制覇できた新たな環境に感謝した。

 花ケ崎にとって田中は尚美学園大の1学年下の後輩。「母校相手ですし、田中をかわいがっていたので複雑でしたが、絶対負けたくなかった。(同じ尚美学園大出身で遊撃の)出口さんがいたのは心強かったし、守備に救われました。優勝投手になれるなんて」と喜びをかみしめた。

 出口も後輩との戦いに「やりづらさはありましたが、やるからには勝ちたかった。先制を許してもチームの雰囲気が良かったのが逆転に結びついた」と明かした。

 同社の社長を務める森賢司監督は、2年前にたまたま尚美学園大で行われていた女子野球の試合を見る機会があり、そのひたむきさと人材確保のためチーム発足を思いついたという。その相手を倒しての悲願達成に「非常にきつい練習と仕事を良く両立してくれました。みんなの野球にかけるがんばりのおかげ」と話し、ナインに胴上げに何度も宙を舞った。

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