【女子野球】公式戦未勝利だった岐阜第一“奇跡”の準優勝

スポーツ報知
準優勝し、宮本和知さん(手前右)と記念写真に納まる岐阜第一ナイン

◆報知新聞社後援 第9回全国女子硬式野球ユース大会最終日 ▽決勝 神戸弘陵6―1岐阜第一(22日、埼玉・加須きずなスタジアム)

 創部3年ながら公式戦未勝利だった岐阜第一が、2年生以下による秋の全国大会で“奇跡の”準優勝で終えた。

 まさに甲子園を沸かせた「金足農」に劣らない快進撃だ。女子プロ野球で6年プレーした小久保志乃監督(30)のもと、16年に創部した岐阜第一。しかし近隣に至学館(愛知)、福井工大福井(福井)ほどと、関東や関西に比べ環境が充実しているとはいえない場所で、3年間の公式戦は未勝利。「創部からどうして良いか(方向性が)分からず、(引退した)1期生は1勝もさせてあげられなかった」と小久保は振り返る。

 ミスを減らすために基礎を徹底的に見直して臨んだ今大会。初戦に強豪・埼玉栄を延長タイブレークで制し初勝利を挙げると、作新学院、福井工大福井を次々と破った。「底力はあったのですが、点の取り方が分からなかった」という選手も、勝ち進むにつれそれぞれの役割も自覚。ついに決勝の舞台まで上り詰めた。

 決勝の相手は男子野球部を5度甲子園に導いた石原康司監督(35)の下、一昨年から2連覇中で春の選抜大会も制した実力を持つ神戸弘陵。初回に先発の新村未来(2年)が連打を浴び3点を失う一方、2回にはボークを誘い1点を返す展開。しかしその後はホームは遠く、ジリジリと追加点を許してしまった。

 「ピッチャー陣もこれまでだったら自滅していたが、今まで以上の実力を出してくれた。選手も試合ごとに成長してくれた。奇跡だと思います」とたたえた指揮官。月刊ジャイアンツ(報知新聞社刊)の企画などで女子野球に詳しく、決勝の始球式に登場した元巨人の宮本和知さん(54)も、閉会式のあいさつで「選手みんなで決勝まで上り詰めたチームワークを感じました。これからも期待できるチーム」と絶賛した。

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