準硬式野球のすすめ…早大・渡部椋雅が魅力語る「勉強と野球を両立するにはいい環境だと思う」

スポーツ報知
文武両道を貫く早大・渡部

 来春の大学入試を目指しながら、入学後も野球を続けるかどうか悩んでいる高校球児にオススメなのが、準硬式野球。甲子園経験者も多いなどレベルは高く、学業も両立させて充実した学生生活を送ることができる。このほど終了した東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦(報知新聞社後援)で活躍した神奈川・桐光学園出身の早大・渡部椋雅(わたべ・りょうが)に、準硬式野球の魅力を語ってもらった。

 9季ぶりの優勝を引き寄せる大きな一発だった。勝ち点2で臨んだ立大3回戦。5―5の延長11回1死一、二塁の好機で、途中から三塁に入った渡部が勝ち越しの左越え3ランを放った。「つなげようという気持ちで打ちました」と振り返った無欲の一打が3つ目の勝ち点、さらには優勝へと、つなげていった。「1年でベンチに入れてもらって試合にも出させてもらい、4年生には感謝しています」と声を弾ませた。

 桐光学園中では軟式の城南鵬翔クラブでプレーし、並行して部活動は柔道部。171センチ、67キロながらがっしりした今の体格はこの時に土台ができた。シニア、ボーイズリーグの好選手が集まるレベルの高い高校でも背番号16ながらベンチ入りし、準決勝進出に貢献。指定校推薦で早大商学部へ進み準硬式野球部へ入部した。使用する東伏見の軟式野球場は硬式野球部の安部球場と隣り合わせになっているが、「準硬式の練習を見学した時レベルが高いと思いました。高校の時から野球と勉強を両立させたいと思っていましたし、硬式よりも出場するチャンスはある」と迷わずボールを変えた。

 午前中に授業に出席し、午後は練習という文武両道の生活。「勉強と野球を両立するにはいい環境だと思います。レベルも高いし、硬式に劣るということはありません。少しでも興味を持ってくれたらいいですね」と準硬式野球の魅力を力説した。

 ◆準硬式野球とは

 ◇ボールは? 見た目は軟式球だが、中身は硬式球というイメージ。コルクの粉末と樹脂を混ぜ合わせてできた芯に糸を巻き付け、表面を天然ゴムで覆っている。直径71・5~72・5ミリ、重さ141・2~144・8グラム。戦後、硬式球の使用感に似ていながら軟式球のように手軽なボールを、と開発された。バットは硬式の金属製を使用する選手がほとんど。

 ◇東京六大学準硬式野球連盟 1947年に発足し早大、慶大、明大、法大、立大、東大が加盟。春、秋のリーグ戦は大田スタジアム、府中市民球場、早大東伏見球場、法大多摩球場などで開催。学生が中心となって運営している。

 ◇プロ野球選手 16年にドラフト6位で楽天入りした鶴田圭祐投手(帝京大)と育成ドラフト4位で巨人入りした坂本工宜投手(関学大)まで、65年のドラフト制度導入以降、育成を含めて10人がプロ入り。また、09年にドラフト6位で広島入りした川口盛外投手(現王子コーチ)は早大時代、準硬式でプレーしていた。

 ◇六大学選手の進路 多くがメガバンク、商社、メーカーなど一流企業に就職。慶大OBの日本テレビの梅澤廉アナウンサー(25)をはじめアナウンサー、スポーツ紙記者のようにマスコミに進む選手もいる。

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