隠れ逸材ビッグ3は彼らだ!春季関東大会逃したスター候補選手を紹介

2018年5月8日14時0分  スポーツ報知
  • 夏の甲子園出場を目指す埼玉栄・米倉貫太投手

 19日に開幕する春季高校野球関東大会(千葉)は、出場全19校が決まった。一方で、惜しくも出場を逃したチームにもスター候補と呼べる逸材がいる。今週は、今春に取材した中から“埼玉のダルビッシュ”とも呼ばれる埼玉栄の145キロ右腕・米倉貫太(3年)、八千代松陰(千葉)の190センチ右腕・清宮虎多朗(3年)、藤嶺藤沢(神奈川)の148キロ左腕・矢沢宏太(3年)という、プロのスカウト陣が熱視線を送る3投手をピックアップした。

 長い右腕から繰り出される白球が、糸を引いたように捕手のミットに吸い込まれる。埼玉栄・米倉貫太はクセのないオーバースローで、スピンの利いた最速145キロのストレートを投げ込む。184センチ、83キロ。バランスの取れた肉体を持ち、東北(宮城)でダルビッシュ(現カブス)らを育てた若生正広監督(67)も「素材は間違いなく一流」と認める“ダル2世”だ。

 県大会初戦となった4月26日の熊谷工戦では、キレ味鋭いスライダーなど、変化球を中心に4回2安打無失点。5連続を含む9三振を奪い、視察に訪れた9球団のスカウトをうならせた。

 右腕は「初回は体が動かなかった。とにかく腕を振ろうと思ったら、変化球もいい感じになった」と自己分析。巨人・青木スカウトは「投げ方や体重移動は理想の動きができている」。ヤクルト・中西スカウトは「フォームがきれいで、理にかなった投げ方をしている。走る姿もいい」。DeNA・武居スカウトは「素材がすごくいい」。日本ハム・今成スカウトは「ピッチングのセンスがいいね」と評価した。

 だが、同30日の山村学園との準々決勝では、13安打を浴びて6失点。昨秋準々決勝でも敗れた相手に、0―7で8回コールド負けを喫した。視察に訪れたヤクルト・伊東編成部長は「いい投げ方をしている。フォーム的に欠点はない」と評価したが、右腕は「低めを狙って、ピンチの時に腕を振ろうとしたのですが…。精神面も弱かった」と反省の言葉を並べた。

 指揮官は夏へ向けて精神面を課題に挙げた。「どこかのんびりしているんだよ。もっと闘志を出せよ、と。いい子なんですよね。絶対抑え込んでやろう!っていう気持ちがあれば、もっといいピッチャーになる。投球フォーム、ボールも、ピッチング練習ではいい。でも、試合だとまだまだ。2年かけて大事に育ててきた。勝てるピッチャーになれよ、と言ったんだ」

 ダルビッシュを育てた若生監督に指導を受けるため、福岡から埼玉栄入りを決意した。00年以来18年ぶりの甲子園出場へ、ダル2世の成長がチームのカギを握っている。(青柳 明)

 ◆米倉 貫太(よねくら・かんた)2000年8月4日、福岡・浮羽町(現うきは市)生まれ。17歳。御幸小3年から野球を始め、浮羽中では「浮羽ボーイズ」で投手。高校では1年夏から背番号11でベンチ入り。秋からエース。184センチ、83キロ。右投右打。50メートル走6秒7、遠投100メートル。家族は両親と姉、妹。

 底知れぬスケール感を漂わせる大物が、千葉にいる。清宮虎多朗。キヨミヤ、ではない。セイミヤ・コタロウだ。八千代松陰の最速145キロを誇る大型右腕が、最後の夏に自らの名前を全国に売り込もうとしている。

 千葉では「清宮」を「セイミヤ」と読む名字は一般的。だが、ある時を境に読み間違えられることが急増した。あれは、ちょうど3年前の今頃。清宮幸太郎(現日本ハム)が早実でスーパールーキーとして大暴れし始めたからだ。

 セイミヤが言う。「名前のことはよく言われます。特に意識してることはないですけど、キヨミヤさんが活躍し出したら、キヨミヤって間違われることが増えました。それまではそんなことはなかったんですけど…」

 もちろん、名前だけで注目を集めているわけではない。190センチの長身から投げ込む直球は角度十分。縦に大きく割れるカーブ、切れ味鋭いスライダーも魅力的だ。4月29日に行われた今春の千葉県大会初戦(2回戦、対市川昴)は、10―0の大差がついたこともあって登板機会はなかったが、ネット裏には9球団のスカウトが集結。注目度の高さをうかがわせた。

 また、4日に行われた習志野との準々決勝では、4安打1失点で完投した前日の3回戦(対西武台千葉)の影響もあったのか、11四死球と制球に苦しんで9回途中9失点で降板。まだ粗削りで未完成。その分、のびしろを大いに感じさせる。

 地元開催で4校が出場できる関東大会進出をあと1勝で逃し、残す大舞台は最後の夏だけ。第100回の記念大会で、千葉は2校が出場できる。八千代松陰が組み込まれた西千葉大会には、今春センバツ出場の中央学院や、昨秋、今春と2季連続で準々決勝で敗れている習志野もいる。

 「勝てる投手になりたい。甲子園に出て、セイミヤって呼ばれるようになりたいです」。大会開幕まで約2か月。どこまで成長を遂げるのか、楽しみだ。

 ◆清宮 虎多朗(せいみや・こたろう)2000年5月26日、千葉・八千代市生まれ。17歳。幼稚園の年長から野球を始める。八千代松陰中では2年時に全国大会に出場。高校では1年秋からベンチ入り。2年秋からエース。球種はスライダーとカット、フォーク、カーブ。最速145キロ。190センチ、85キロ。右投左打。

 藤嶺藤沢の148キロ左腕・矢沢宏太は、慶応湘南藤沢との県大会2回戦で、6回コールドの参考ながらノーヒットノーランをマークした。

 171センチと小柄だが、キレのある直球とスライダーで三振を量産。「スピードには興味がないです。勝てるピッチャーになるのがベスト」と左腕。中丸洋輔監督(44)は「この春は終盤でも140キロ台が出るようになっている。体もしっかりして、制球も安定してきている」と成長を口にした。逆方向の左中間へ本塁打も放ち、センスの高さを見せつけた。

 今春センバツ開幕直前に行われた東海大相模との練習試合には、日米9球団17人のスカウトが集結。今秋ドラフト候補のスラッガー・森下翔太(3年)からは、1安打2奪三振。巨人・岡崎スカウト部長は「腕の振りがしなやか。下半身が出来れば面白い」。楽天・長島スカウト部長は「打撃を見てもセンスがあるのがわかる」。ソフトバンク・荒金スカウトは「しっかり腕が振れているし、面白いと思います。これからでしょう」と評価。複数の球団が、夏まで視察を続けていく模様だ。

 ◆矢沢 宏太(やざわ・こうた)2000年8月2日、東京・町田市生まれ。17歳。6歳から野球を始め、忠生中では町田シニアに所属。高校では1年夏からベンチ入りし、秋からエース。50メートル走5秒8の俊足に打力も武器で、外野手も務める。171センチ、65キロ。左投左打。遠投100メートル。家族は両親と姉。

週刊報知高校野球
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