足寄“池田塾”で目指せ十勝1勝!部員10人「一丸」元日本ハム外部コーチが就任

スポーツ報知
青空の下、池田コーチと円陣を組む足寄ナイン

 春季全道高校野球大会(5月28日開幕・札幌円山)出場権を争う十勝、空知、旭川地区予選の組み合わせが2日、決まった。十勝地区の足寄は、13日の2回戦で帯広緑陽と対戦する。今年4月に外部コーチに就任した元日本ハム・池田剛基氏(33)の指導のもと、十勝1勝を目指す。空知地区のクラークは、2回戦で滝川工と岩見沢緑陵の勝者と対戦。一昨年12月に熊本・鎮西から転校してきた145キロ右腕・ピダーソン和紀と左腕・安楽裕太郎(ともに3年)の“Wエース”で、春は初の全道優勝を狙う。

 部員10人。足寄の斎藤史人(しど)主将(3年)は「一丸となり、1勝したい」と力強く意気込んだ。

 昨春、サッカー部から転部した斎藤が中心となり、それまで休部していた野球部を約3年半ぶりに復活させた。陸上部員などを借りて出場した昨秋の地区初戦は0―25でコールド負けしたが、学校は150人の全校応援で後押し。地域住民が飲料の差し入れに訪れるなど、町内唯一の高校に対し、町の期待は膨らんでいる。

 そこに強力な“援軍”が加わった。先月、日本ハムと足寄町の人材派遣事業を通じ、元日本ハムの池田氏が外部コーチに就任。同町の教育委員会生涯学習室に勤務しながら、夕方からは選手の指導に当たっている。

 “池田塾”が始まって1か月。同氏は「練習は試合のため。1球1球貪欲にやる姿勢が大切」と、選手目線に立ち、冗談も交えながら、分かりやすく技術を伝えている。素振りやダッシュは最後まで全力でこなし、ティー打撃は「どんな投手にも対応できるように」(池田氏)と、センター返しの意識をたたき込んでいる。

 2年前はマウンドにフキが生えていたグラウンドを、今は活気が包み込む。「池田コーチが来て、士気が日に日に上がっている。勝ちたい気持ちが強い」と斎藤。十勝1勝へ―。“元プロ先生”と歩む夢物語が、幕を開ける。(宮崎 亮太)

 ◆池田 剛基(いけだ・ごうき)1984年8月5日、札幌市生まれ。33歳。主将を務めた鵡川高3年時に、21世紀枠でセンバツ出場。高校通算39本塁打を放ち、2002年ドラフト会議で日本ハムから7位指名を受け入団した。左肘の故障などで1軍出場がないまま05年に引退。その後は同球団職員に転職し、今年4月から足寄高の外部コーチを務める。現役時代は左投左打。

野球

×