【南北海道】札幌大谷・菊地、11K0封!プロ5球団スカウト来た

スポーツ報知
7回4安打無失点と好投した札幌大谷・菊地

◆全国高校野球選手権 札幌大会 ▽Cブロック2回戦 札幌大谷7x―0東海大札幌=7回コールド=(29日・札幌円山ほか)

 6地区で17試合が行われた。札幌地区では、札幌大谷が東海大札幌に7―0で7回コールド勝ち。プロ注目の右腕・菊地吏玖(りく、3年)が7回4安打無失点11Kの好投。3番打者としても、先制2ランと2四球を選ぶ奮迅の活躍を見せ、強豪対決に完勝した。

 小樽地区では、北照が双葉を11―0で下しコールド発進。4番・岡崎翔太左翼手(3年)が3本塁打を含む4安打9打点と大暴れした。旭川地区では、富良野が旭川東を3―2で下した。

 気迫を押し出し、強豪に立ちはだかった。札幌大谷の右腕・菊地が自己最速の144キロ直球を主体に、7回を散発4安打11奪三振無失点。「(試合前の)ブルペンでは感覚が違ったが、マウンドに上がれば直球が伸びてくれた」。プロ5球団のスカウトの前で、三塁を踏ませない快投。東海大札幌打線をねじ伏せ、中日の八木スカウトも「ポテンシャルが高い、良い選手」と賛辞を贈った。

 投球でリズムに乗ると“菊地劇場”の開演だ。0―0の3回1死一塁。「何も考えずに振ったら入ってくれた」。内角直球を強振すると、高々と舞った白球は右翼席に突き刺さった。エースの通算9本塁打目で勢い付いた打線は、8安打7得点でコールド勝ち。「まさかコールドになるとは。この勝ちは大きい」。過去3年間、練習試合も含めて勝ち星がなかった天敵を破り、“縦じまアレルギー”も払拭(ふっしょく)した。

 集大成と位置づける今夏、全ての悔しさを振り払う。昨秋の全道大会初戦は、旭川実に延長戦の末敗れた。「自分のせいで負けた。悔しさしかない」。責任を背負い込み、下宿の勉強机には自身が献上した「18安打8失点」と記した紙を貼って奮い立たせてきた。24日の初戦は北広島西に10―0で6回コールド勝ちも、登録メンバー全員が自主的に頭を丸めた。気合の五厘刈り。「何としても勝ちたくて。一体感を体で感じる」。結束は、さらに高まった。

 船尾隆広監督(47)が「最高の仕上がり」と信頼を置く大黒柱は、「甲子園で勝つのが目標。この勢いに乗り、まずは全道」と力強い。同校初の甲子園へ―。歴史を変えるのは、菊地だ。(宮崎 亮太)

 ◆菊地 吏玖(きくち・りく)2000年6月13日、苫小牧市生まれ。18歳。小学2年から拓勇ファイターズで野球を始める。高校では、1年春から背番号1でベンチ入り。最速144キロ。183センチ、83キロ。右投左打。家族は両親と妹。

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