【富山】富山商、絶対的エース沢田で再び聖地へ

スポーツ報知
夏の県大会に向けて調整する富山商のエース・沢田

 春夏連続の甲子園出場を狙う富山商は、MAX143キロ右腕・沢田龍太(3年)が順調に仕上がっている。今春のセンバツでは、準優勝した智弁和歌山と初戦で対戦し、敗れたものの、ストレートを軸に自責点2と好投し、確かな手応えをつかんだ。県内公式戦は昨秋から17イニング無失点と安定感は抜群。ゼロを積み重ね、4年ぶりの夏の聖地で念願の勝利を目指す。

 富山商の右腕・沢田が、戦闘態勢を整えた。初戦(15日)の相手が実力校の砺波工に決まり、気持ちも一新し、「センバツが終わって調子が悪かったけど、今はいい状態。もう少し上げていきたい」と明るい表情。6月は5メートルと10メートルのダッシュを中心に走り込み量を増やした。瞬発力を磨き、体に切れが出てきた。

 エースとして、絶対的な信頼を受ける。県大会でも、約4万6000人が詰めかけた甲子園の大舞台でも、変わることなく実力を発揮する。最速143キロのストレートと、スライダーの切れは全国区だ。前崎秀和監督(41)は「どんな状態でも自分の投球が出来る。チームを勝ちに導ける投手」と期待を寄せる。沢田も「悪い時にも勝たせるのがエース。そのつもりで練習に取り組んでいます」と自覚している。

 大きな自信となったのが、今春のセンバツだった。智弁和歌山との初戦は、守備が乱れて2―4で敗れたが、9回を投げきり8安打、自責点2と力投した。「相手はしっかり狙い球を絞って、強く振ってきたが、真っ直ぐで空振りが取れた。自分の投球をすれば、全国でも通用すると感じました」。昨秋はスライダーに頼る場面も多かったが、一冬を超えて成長。さらにセンバツで記録した143キロに手応えをつかんでいる。

 昨秋の県大会決勝から、県内では通算17イニング無失点。理想の投手像は巨人の右腕・菅野智之だ。ピンチになった時はギアを上げて三振を狙っていく。「気持ちで押して、ゼロを積み重ねたい。甲子園はすごく緊張したけど、もう一度、投げたいです」と沢田。甲子園で成長したエースが、再び聖地を見据える。(中田 康博)

 ◆沢田 龍太(さわだ・りゅうた)2000年9月19日、富山市生まれ。17歳。呉羽小2年から野球を始め、呉羽中では富山ボーイズに所属。高校入学後は1年秋から背番号1。高校通算2本塁打。183センチ、82キロ。右投右打。趣味は音楽鑑賞。得意科目は国語。血液型B。

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