【山梨】甲府城西・広瀬、絶叫3年ぶり8強 初回2失点も2回以降7イニング無安打

スポーツ報知
甲府城西のエース広瀬は8回、相手の4番を三振に切って取りガッツポーズ

◆第100回全国高校野球選手権記念山梨大会 ▽3回戦 甲府城西7―2甲府商(15日・山日YBS球場)

 3回戦3試合が行われ、甲府城西が甲府商を7―2で下し、3年ぶりの夏8強を決めた。先発したエース右腕の広瀬綾斗(3年)は初回に2点を献上したが、2回以降は立ち直り、無安打に抑え、8回3安打6奪三振で勝利を引き寄せた。

 8回2死。甲府商の4番・加藤聡一朗を空振り三振に抑えると、甲府城西の広瀬はマウンドで右腕を握り締め、雄たけびを上げた。2回以降は7イニング連続の無安打。エース右腕が堂々の投球で、チームを3年ぶりの8強へと導いた。

 先制パンチで目が覚めた。初回2死三塁、加藤に右越え2ランを浴びた。「絶対に抑えるという無駄な力みがあの一発でとれた」と広瀬。伸びのある直球を主体に低めの制球を心がけ、思いきり腕を振った。

 初回に136キロを記録した直球は徐々に調子を上げ、8回に自己タイの138キロをマーク。宿沢元樹監督(40)は「勝利への強い思いがボールにのっていた。今まで見た広瀬で一番よかった」と最大級の賛辞を贈った。

 恩返しのマウンドでもあった。3月、学校の球技大会で右手小指を剥離(はくり)骨折した。春大会は3試合のうち2試合で後輩に先発を任せた。この日はけがの影響もなく、8回6奪三振。「(主将の遊撃)長田を中心にしっかり守ってくれた」。苦しいときも支えてくれた仲間たちのために、全力投球で応えた。

 2015年夏、甲府城西はエース右腕・石原赳人(現国士舘大)を擁し、初めて決勝に進出した。19日の次戦の相手は、3年前に1点差で敗れた東海大甲府に決まった。その試合を観戦し、甲府城西進学を決めた広瀬は「あの試合を超えられるような熱い試合にしたい」と闘志を燃やす。この日、最高気温37・3度を記録した甲府市内の暑さに負けない熱い気持ちを1球に込め、広瀬が雪辱のマウンドに立つ。(大津 紀子)

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