【宮城】東北が8回に逆転、ヒヤヒヤ発進「これが夏の大会」

スポーツ報知
8回に左越えの適時二塁打を放った東北・奥田

◆第100回全国高校野球選手権記念宮城大会 ▽2回戦 東北3―2大崎中央(15日・楽天生命パーク宮城)

 宮城では春王者の東北が、8回1死から4安打で3点を奪い、逆転で初戦を突破した。

 春の宮城王者・東北がヒヤヒヤ発進だ。大崎中央・遊佐義斗投手(3年)の緩い変化球に手こずり、7回まで散発3安打の無得点。けん制球に引っかかるなど、普段は見られないミスも出て「これが夏の大会」(東北・我妻敏監督)と、その怖さを実感させられた。

 しかし、2点ビハインドで敗戦ムードが濃くなってきた8回1死から、安打を足場に2死二塁のチャンス。ここで我妻監督が4番・奥田惇人左翼手(3年)に声をかけた。「(体勢が)泳いでもいいから、前からたたけ。浮いた球を払え」。これに応えた奥田が、高めのスライダーを左越えの適時二塁打。中村紘大一塁手(3年)も中前へ同点打を放った。

 さらに、6月の東北大会でヘッドスライディングした際に左手親指を骨折し、夏大会出場が危ぶまれていた岩沼和希内野手(3年)が代打で出場。「ここ2、3日でバットが振れるまでになった」という主将が四球を選んだ直後、阿部真大捕手(3年)が中前へ勝ち越し打を運んだ。

 阿部は「チームで一番頑張ってきたのが和希。『うちは和希頼みだよ』と声を掛けた。チャンスを広げてくれたので、自分が何としても返したいと思った」と振り返った。本番に間に合ったリーダーが“王道”を歩んでいく。(須貝 徹)

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