【山形】日大山形、サヨナラ発進 V打の竹田「ワクワクしていた」

スポーツ報知
9回1死二塁、サヨナラ打を放った日大山形・竹田

◆第100回全国高校野球選手権記念山形大会 ▽2回戦 日大山形11x―10鶴岡工(15日、荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた)

 山形では今春センバツ出場の日大山形が、春はコールド勝ちした鶴岡工を11―10のサヨナラで下し、初戦を突破した。先行しながら中盤で4点リードされる厳しい展開にも打線が粘りを見せ、9回1死二塁から竹田空良外野手(3年)の二塁内野安打で乱戦に決着をつけた。

 自分が決めることを疑わなかった。10―10で迎えた9回裏、1死二塁。6度目の打席に立った日大山形の竹田の打球は、二塁手の左を襲った。飛びついた二塁手が打球をはじく間に、二塁走者が一気に生還。サヨナラの内野安打に「ネクスト(サークル)でワクワクしていた。打てるイメージができていた」と笑った。

 難しい夏初戦。それでも4回に先発・佐藤洸太(3年)の左越え2ランで、リードを3点に広げた。しかし5回、その佐藤洸が連続四球から崩れ、一挙4失点。6回から登板した2番手の近藤皓介(3年)も捕まり、6回表終了時には逆に4点をリードされていた。荒木準也監督(46)は「ホームラン打って、直後に連続四球。夏の大会を知らない」と乱戦への分岐点に挙げた。

 消耗戦だった。この日の山形の最高気温は37度。竹田はサヨナラの走者・近藤のもとに駆け寄り抱きついたが、両足をつって背負われてグラウンドを後にした。近藤も校歌の際に倒れ、担架で運び出された。竹田は「7回ぐらいから足はつっていた。試合展開もあって疲れてはいたけど、気持ちで打ちました。打った球も覚えてないし、一塁を踏んだのかも分からない」と極限状態での一打だった。

 苦しんだ末の初戦突破。荒木監督は「普通なら負けゲーム。どんな形でも勝ったのは収穫」と打線の粘りをたたえた。「次は強敵(山形商・鶴岡東の勝者)ですけど、このサヨナラ勝ちで波に乗れる」と竹田。春夏連続の甲子園へ、激闘を制した自信を力に勝ち進んでいく。(山口 泰史)

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