【秋田】プロ注目の金足農・吉田、自己最速150キロ「目標だった」毎回16K完封

スポーツ報知
16個目の三振で完封勝利を決めた金足農・吉田輝星(カメラ・遠藤 洋之)

◆第100回全国高校野球選手権記念秋田大会 ▽2回戦 金足農2―0秋田北鷹(15日・こまち)

 秋田では、金足農のプロ注目右腕・吉田輝星(こうせい、3年)が、自己最速を3キロ更新する150キロをマークするなど、毎回の16奪三振で3安打完封発進。14日に敗退した大船渡(岩手)の154キロ右腕・佐々木朗希(ろうき、2年)に並ぶみちのくの怪腕が存在感を示した。

 秋田にキラリ輝く一番星が現れた。金足農・吉田が2回2死一塁で秋田北鷹の7番・相馬陸典二塁手(3年)に投じた3球目が、150キロを計測した。これまでの自己最速だった147キロを更新し、初の大台で勢いに乗ると、5回2死からの5連続を含む毎回の16奪三振。最後も空振り三振で完封勝利を決め「初戦から厳しい試合だったけど、自分がしっかり守ろうと思った。150キロは目標だったのでうれしい」と胸を張った。

 みちのくに、大船渡の佐々木朗に続く150キロ右腕の誕生。秋田最速の裏にはライバルの言葉があった。開会式で明桜の山口航輝主将(3年)が「歴史の一ページに名前を刻む大会にする」と選手宣誓。昨夏の決勝戦(1―5)では先発で投げ合うなど、切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲だが「あの言葉で、自分もやってやろうという気になった」と気持ちを高ぶらせていた。

 春は地区予選、県大会で明桜を破って優勝。東北大会でも準々決勝に進むなど結果を残し、高校日本代表候補にも選ばれたが「(代表は)甲子園が終わってから考えます」とチームに集中。今大会に向け1時間のポール間ダッシュなど、地道なトレーニングも再度取り入れて下半身とスタミナを強化。「しっかりしたフォームで投げれば(150キロは)出ると思っていた」と自信を持って初戦のマウンドに立ち、剛腕ぶりを見せた。

 決勝で敗れた昨夏から試合でかぶり続けている帽子のツバには自筆で力強く「覚悟」と書き込んでいる。「応援してくれる皆さんの期待。そういうのも背負う覚悟で投げていく」と吉田。2007年以来、11年ぶりとなる夏の甲子園出場へ。剛速球で金足農を大舞台へ導く。(遠藤 洋之)

 ◆吉田 輝星(よしだ・こうせい)2001年1月12日、秋田市生まれ。17歳。幼少時に潟上市に転居し、天王小3年から天王ヴィクトリーズで野球を始め、天王中では軟式野球で県4強。金足農では1年夏にベンチ入りし、同年秋から背番号1。昨夏に県準優勝。今春は県優勝で東北大会8強。176センチ、81キロ。右投右打。家族は両親と弟。

野球

×