【静岡】3年ぶり夏出場へ、静高の“春”が戻ってきた センバツ以来の公式戦登板で1回ピシャリ

スポーツ報知
1イニングを3人で抑え、黒岩捕手(右)と笑顔でグラブタッチした静高・春

◆第100回全国高校野球選手権記念静岡大会▽2回戦 静岡17―0沼津城北=5回コールド=(16日・草薙)

 2回戦16試合が行われ、第1シードの静岡は沼津城北に15安打の猛攻で17―0と5回コールド発進。今春センバツ以来の公式戦登板となった右腕・春翔一朗(3年)が4回の1イニングを3人で抑えた。

 楽勝ムードの静高応援席から4回表に一際大きな歓声が起きた。右ひじ痛に苦しんだ春が、3月29日のセンバツ3回戦・東海大相模戦以来、109日ぶりに公式戦マウンドに立った。「医学療法士の方などに感謝の気持ちで臨んだ」。13球で空振り三振、左飛、左飛に抑えて完全復帰を告げた。

 痛みの出ないフォームを考え、腕が速く出過ぎる点を修正した。「最初は意識して投げていたが、今は意識しなくてもできる」と新投法を体得。大量リードで出番が訪れ、今回は少し腕の振りをセーブしたようだが「実戦を経験できた貴重な1イニング。連戦に備えて状態を上げていく」と、先発への意欲をのぞかせた。

 打線は初回から打者13人の猛攻だ。先頭の木下将吾(3年)が三遊間を破ると3連打で1点先制。さらに敵失と4適時打で大量8得点。センバツ4強の三重など有力校が初戦敗退しているが、3安打4打点の木下は「自分は気にせずにできた。センター方向を意識した」と難しい初戦で攻撃の流れを作った。

 長打は1本きりだが、単打で次の塁を狙う走塁を随所に見せた。栗林俊輔監督(45)は「今後も積極的に打って走る、自分たちの野球を貫く」と好発進に目を細めた。春のほか、左足負傷の村松開人遊撃手(同)も予想より早い回復を見せ、指揮官は「代打起用も考えていた。次は外野で先発できる」。3年ぶり覇権へ、本命校の戦力が整ってきた。(青島 正幸)

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