【北北海道】紋別“ガリンコ打線”だ!1人10万スイングの特訓実り打ち勝った!

スポーツ報知
初回、2点目のホームを踏みハイタッチする紋別・渡辺(背番号5は松本)(カメラ・清藤 駿太)

◆第100回全国高校野球選手権記念北北海道大会 ▽1回戦 紋別6―4岩見沢農(16日・旭川スタルヒン)

 北北海道大会では、初出場の紋別が6―4で岩見沢農を打ち破り初勝利。冬から春にかけて1人「10万回スイング」のノルマをこなし、勝負の夏に成果を発揮した。

 初めて足を踏み入れたスタルヒン球場で、紋別ナインが縦横無尽に駆け回った。長短10安打で6得点。初陣勝利で元気に校歌を響かせ、チームはスタンドから大歓声を浴びた。「肩の荷が下りた。注目されていたんで、ホッとしています」。足立(あしたて)拓也監督(40)は安どの笑みを浮かべた。

 早々と主導権を握った。初回に5番・対馬龍也の左翼線適時二塁打で2点を先制。一時は1点差にされたが、6回にも主将の一谷圭祐が中前適時打で加点した。6点中5点は2死から奪ったもの。そのしぶとさは、途方もないノルマから生まれた。

 地区の壁を破るため、選手の話し合いで冬場に設定した目標は、1人「10万スイング」(設定目標は1日780スイング)。テスト期間や正月休みを除き、12月~3月の4か月で膨大な数字に挑んだ。手の皮がむけるのは当たり前。零下20度の屋外でも、まめがつぶれても、振り込んだ。そして全員が達成。先制打の対馬は「合計で13万本振った。これだけやったんだ、という自信になっている」と胸を張る。

 試合が雨で1日延びたため、全校応援はならなかったが、父母会が懸命に声をかけて、紋別市からは一般市民も含め、約100人がバス3台で駆けつけた。「期待に応えたい」と一谷。紋別といえば冬のオホーツク海を突き進む砕氷船「ガリンコ号」が有名だが、野球部も“ガリンコ打線”で目の前の敵を打ち砕いていく。(石井 睦)

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