【福島】いわき海星、初の夏8強! 13年、21世紀枠でセンバツ出場

スポーツ報知
6回2死一、二塁で二塁から生還し、セーフのポーズをとるいわき海星・水野

◆第100回全国高校野球選手権記念福島大会▽4回戦 いわき海星3―1福島成蹊(17日・いわきグリーン)

 福島では2013年のセンバツに21世紀枠出場のいわき海星が、3―1で福島成蹊を破り、初の夏の8強入り。エース左腕・岩崎智弥(3年)が9回1失点の完投。今大会27イニングを投げて1失点と抜群の安定感を見せ、「4番・遊撃」の水野太智主将(3年)も3安打と好走塁で援護した。

 勝利の瞬間もいわき海星のエース・岩崎はクールだった。3―1で迎えた9回2死一、二塁、最後の打者を二塁ゴロに打ち取り、夏8強入りの歴史が刻まれた。11安打を浴びたが、要所を締める投球で9回1失点。「僕はバックの守りを信じて、ただ全力で投げるのみです」と不動心で124球を投げ抜いた。

 直球は110キロ台だが、制球力とキレのある変化球で相手を巧みに打ち取る。今大会は本宮との1回戦で公式戦初の完封勝利を挙げると、ふたば未来学園との3回戦でも完封。この日は7回に連打と犠飛から今大会初めて得点を許したものの、計27イニングで1失点の防御率0・33。「打たれてもホームにかえさなければいい。変化球が思い通りに投げられている」。強心臓の頼もしい左腕がチームの躍進を支えている。

 打線は4番の水野が3安打で引っ張った。4回無死から右前打で出塁し、1死二、三塁から7番・吉田楓(2年)のスクイズで先制のホームを踏んだ。6回にも無死から左前打で出塁すると、2死一、二塁から8番・三河優人(2年)の右前打で一気に本塁へ。「必ず1本で生還すると決めていた。気合ですね」。相手捕手のタッチをかわし、左手を本塁へ伸ばして生還。貴重な3点目のホームを踏んだ。

 大会前にいわき市の金刀比羅神社で必勝祈願した。選手全員がお守りを持って試合に臨んでいる。若林亨監督は「ピンチの時、お守りを握り締めると抑えてくれる。初のベスト8は重いです。神がかっています。選手たちが成長してくれた、壁を越えられてよかった」と目を細めた。

 2013年に21世紀枠で出場したセンバツ以来の甲子園へあと3勝。「一戦必勝。やることは変わらないです」と岩崎。凡打の山を築き上げ、聖地の切符をつかみとる。(小林 泰斗)

野球

×