【群馬】「機動破壊」改め「一発破壊」健大高崎・山下航汰、75号 大越弘太郎、3戦連発

スポーツ報知
先頭打者本塁打を放った高崎健康福祉大高崎・山下(カメラ・森下 知玲)

◆第100回全国高校野球選手権記念群馬大会▽3回戦 高崎健康福祉大高崎10―2高崎東=7回コールド=(18日・上毛新聞敷島)

 高崎健康福祉大高崎(群馬)のプロ注目スラッガー・山下航汰左翼手(3年)に、今夏1号が飛び出した。高校通算75号となる先頭打者アーチで勢いに乗せると、大越弘太郎遊撃手(3年)は、3試合連続の4号ソロで援護射撃。自慢の強打で、3戦連続コールド勝ちした。

 その瞬間は、すぐに訪れた。晴天をバックに、山下の打球は低い弾道で右翼スタンドへ吸い込まれた。ど真ん中の直球を捉えた待望の夏1号は、チームを勢いづける先頭打者本塁打。巨人の4番・岡本の高校通算本塁打記録を2本上回る「75」まで伸ばした1番打者は「ライトライナーかと思った。入ってくれて良かった」と汗を光らせた。

 チームメートの活躍が刺激となった。1、2回戦で「3番・遊撃」の大越弘太郎(3年)と「4番・三塁」の高山遼太郎(3年)が2戦連続本塁打。高山は高校通算本塁打を47に伸ばし、大越は2点を返された直後の6回先頭で、高校通算44号となる左越えソロをたたき込んだ。3戦4発と絶好調で、山下が昨年樹立した1大会5本塁打の群馬大会記録に、あと1まで迫った。

 待ちに待った夏1号だった。毎試合、結果を見てくれているという幼なじみからは「ホームランまだか~?」と連絡が来ていた。「『任せとけ』と毎回、返事をしていたけど、打てていなかったので、やっと約束を果たせました。(大越と高山の活躍で)自分が隠れないようにしないと」と照れくさそうに汗を拭った。

 チームは「機動破壊」をスローガンに掲げ甲子園に旋風を巻き起こしてきたが、今季は脅威の166発トリオが強烈なスパイスを加えている。“一発破壊”で春の関東大会を制し、3年ぶり夏の聖地を目指す山下は「ホームランだけがすべてじゃない。出塁して流れを持ってくることができている。先頭打者として引っ張っていけたら」。チームを勢いづける豪打で日本一長い夏を目指す。(森下 知玲)

 ◆山下 航汰(やました・こうた)2000年11月15日、大阪・柏原市生まれ。17歳。柏原小3年から野球を始め、柏原中では「羽曳野ボーイズ」に所属し、3年時にジャイアンツカップ優勝。高校では1年春からベンチ入りし、同年夏から4番。昨年センバツでは、2年生では史上初となる1大会2発の満塁弾を放った。50メートル6秒3。好きな選手はオリックス・吉田正。174センチ、78キロ。右投左打。家族は両親と弟。

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