【南北海道】駒苫、北海Ｖ４を阻止「ＳＳＯ」で強打封じコールド４強

◆第１００回全国高校野球選手権記念南北海道大会▽準々決勝　駒大苫小牧８―１北海＝７回コールド）（１９日・札幌円山）

　準々決勝３試合が行われ、４強が出そろった。今春のセンバツに出場した駒大苫小牧は北海を８―１の７回コールドで破り、相手の南大会４連覇を阻止。５年ぶりに４強入りし、春夏連続甲子園へ前進した。１８５センチ左腕の佐藤大善、ともに右腕の鈴木雄也、大西海翔（いずれも３年）の「ＳＳＯ」リレーで、今夏３戦３３得点の北海打線に１点しか許さなかった。北照、札幌日大も準決勝に駒を進めた。

　駒大苫小牧ナインの歓喜の雄たけびが、札幌円山にこだました。５点リードの７回に２点を加えてコールド勝ちを決めた。４連覇を狙う北海の夢を打ち破り、佐々木孝介監督（３１）は「全員で（勢いに）乗っていこうと話していた。本当にうれしい」と口元を緩めた。

　分厚い投手陣が、昨夏王者の前に立ちはだかった。相手は今夏３戦３３得点、チーム打率４割６分８厘と好調だ。だが、先発の１８５センチ左腕・佐藤が３回２／３を１点に抑えると、ピンチには鈴木だ。４回２死一、二塁。それまで被安打２と好投していた佐藤からスイッチ。エースの大西が「度胸はチーム一番」と一目置く右腕が、たった３球でピンチの芽を摘んだ。

　「攻撃が淡泊に終わっていたので託した」と指揮官が言うように、５回からは大西の出番だ。背番号１は持ち前の安定した投球で３回を無失点。３投手で強打の北海打線を３安打に封じ、主導権を握ったままコールド勝ちを呼び込んだ。

　６日間で４試合を戦う短期決戦において、勝利の方程式“ＳＳＯ”の誕生は光明だ。実は大会前、けが人が出たことで、当初メンバー外だった鈴木が急きょ、ベンチ入り。外れた時は「ここで終わりか、と。言葉で表せられないほど悔しかった」が「練習は変わらず続けた」という。大会前の引退試合では１４１キロをマーク。一度も気持ちを落とすことはなかった。

　佐々木監督はうなずく。「悔しさをぶつけてほしくて、鈴木は絶対に使おうと思っていた。誰が投げても大丈夫。３人の存在は大きい」。準決勝を勝てば連戦で決勝を迎える。「しっかり抑えて、メンバー外のぶんも頑張りたい」と鈴木。総力戦必至の南大会。全員が束となり、夏切符をもぎ取る。（宮崎　亮太）