【岩手】盛岡大付、佐々木俊の同点打&サヨナラ重盗で4強

スポーツ報知
サヨナラ勝ちに、スタンドへ向かって喜びを爆発させる盛岡大付ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念岩手大会▽準々決勝 盛岡大付6X―5盛岡商(19日・岩手県営)

 岩手の準々決勝では3年連続の甲子園を目指す盛岡大付が、重盗でサヨナラ勝ち。6―5で盛岡商を下し、準決勝進出を決めた。3回戦の花巻南戦で泣きながら打席に入り逆転サヨナラ打を放った佐々木俊輔二塁手(2年)が、同点の中越え二塁打。さらにサヨナラ重盗も成功させる活躍を見せた。

 滑り込む必要もなかった。三塁走者・佐々木俊は、アッという間にホームを駆け抜けた。同点に追いついた9回、なおも2死一、三塁。一、三塁走者が投球前にスタートを切ると、相手左腕・新谷が一塁走者に気を取られる間に、三塁走者・佐々木俊がサヨナラのホームを踏んだ。左投手用に用意してきた秘策が決まり、関口清治監督(41)も「ピッチャーが一塁ランナーに反応した瞬間に、決まったと思いました」と笑った。

 底力を見せた。1点リードの9回表、2死満塁から逆転満塁弾を浴びた。それでもその裏、四球を足がかりに3長短打で一気に同点。関口監督は「すごいな、強くなってるなと思いました。精神力で越えていけるとは話していたけど、思っていた以上」と目を細めた。

 ラッキーボーイも誕生した。花巻南との3回戦、泣きながら打席に入り逆転サヨナラ打を放ったのが佐々木俊だった。この日も、同じように9回1点ビハインドの場面で打席が回り、1死二塁から同点の中越え適時二塁打。さらに重盗も決めた。「経験していたから、負ける気がしなかった。花巻南戦はやばいなと思っていたけど、今日はいける雰囲気だった」と、チームと自身の成長を実感した。

 今大会2度目の9回逆転サヨナラでベスト4進出。ノーシードから、3年連続甲子園まであと2つと迫った。佐々木俊の父・一さん(44)、兄・優之介さん(19)は2人とも専大北上で甲子園を目指し、一さんが決勝で敗れるなど、家族にとっては届かなかった悲願だ。「この勢いを続けられるようにしたい」と佐々木俊。チームのため家族のため、3連覇への大仕事を果たす。(山口 泰史)

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