【秋田】新屋・佐藤昴、ワンバン食らいつきV打

スポーツ報知
8回1死二塁、ワンバウンドのボールを右翼線に運び決勝の適時二塁打を放った新屋・佐藤昂

◆第100回全国高校野球選手権記念秋田大会▽3回戦 新屋7―6大曲工(19日・さきがけ八橋)

 勝ちたい気持ちが奇跡を呼んだ。6―6の8回1死二塁、新屋3番の佐藤昂大中堅手(2年)は外にワンバウンドしたボールに手を出した。「振った以上は絶対に(走者を)かえしたい」と、体勢を崩しながら強く振り抜くと右翼線を破る適時二塁打に。「気持ちが乗り移ってくれた」という殊勲打で2年前の優勝校・大曲工を破ると、優勝したかのように歓喜の輪ができた。

 鮮やかなユニホームで生まれ変わった。実業団のTDKで野手だった佐藤博之監督(40)が昨年に就任すると「ユニホームを変えよう」と今春、淡い黄色からスクールカラー(青)に近い水色へ大幅なモデルチェンジ。練習試合の相手からは「眼がチカチカする」と“ツッコミ”を受けたというが「このユニホームで新しい歴史を創ろうと燃えた」とエース右腕の下間貴翔(たかと、3年)。冬場は毎日、大塚愛の「さくらんぼ」の曲に合わせた縄跳びなどで持久力を上げ、夏に向けて傾斜角30度近い坂道をウサギ跳びするなど、地道に基礎体力を高めてきた。

 目標だった夏2勝を達成して9年ぶりの8強。佐藤昂は「次からは1戦1戦が勝負。うちは打撃のチームなので、ミスを恐れずいきたい」と決意。自慢の攻撃を出し切った先に初の甲子園が見える。(遠藤 洋之)

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