【京都】東山・小山、G育成の兄超えて聖地へGO

スポーツ報知
試合中、チームメートから氷のうで首筋を冷やしてもらう東山・小山(左)(カメラ・谷口 健二)

◆第100回全国高校野球選手権記念京都大会▽4回戦 東山11X―4久御山=8回コールド=(20日・わかさ)

 京都では、東山が8回コールドで久御山を破り、3年連続のベスト8進出を決めた。昨年の育成ドラフト6位で巨人に入団した小山翔平捕手(22)の弟・湧平投手(3年)が、8回7安打4失点で勝利に導いた。

 プロの道に進んだ兄を超えるチャンスが見えてきた。東山の小山は2回に3失点したが、その後は立ち直り8回を投げ抜いた。「(2回の3失点は)僕で取られたんで、この試合は僕がしっかり抑えなきゃだめだと思いました」と胸を張った。

 初回に3点を先取した直後に同点とされた。「このままやったら負ける。切り替えて、ギアを上げました」と球のキレが増した。継投のため、7回1死一、三塁での第4打席は代打を送られる予定だったが、続投を志願。三塁への内野安打を放った。足立景司監督(27)は「自己主張するタイプではないですが、『行かせて下さい』と言ってきました」と気合を感じ取った。

 小学1年の時、兄・翔平に「人数が足りないから」と頼まれて野球を始めた。当初はそれほど熱意はなかったが、プロを目指す兄を見て変わった。昨秋、巨人から指名され、当時は関大在学中だった兄が、母校の東山で1か月間練習を行った。小山は投球フォームを撮影してもらい、「結構、(兄は)教えるのがうまいんです」とアドバイスを受けた。最速138キロの右腕は今夏前、母・倫代さんに「大学入っても、社会人になっても野球をやります」と宣言し、覚悟を決めた。

 1年秋には背番号1をつけ、22年ぶりの京都大会制覇に貢献した。だが、その後はけがや不調で背番号は2ケタになった。今大会は「10」。「悔しかった。予選を勝ち抜いて甲子園で『1』を取りたい」と奮起を誓って臨んだ。兄が在校時の最高成績は12年のベスト4。「強い相手ほど燃えて良い投球ができます」と“兄超え”を果たし、16年ぶりの甲子園出場を目指す。(牟禮 聡志)

 ◆小山 湧平(こやま・ゆうへい)2000年6月3日、京都府生まれ。18歳。小学1年時に「南京都リトルリーグ」で野球を始める。藤森中時代は「京都ブラックス」に所属。東山では1年秋から背番号1でベンチ入り。球種はスライダー、カーブ、チェンジアップ。家族は両親と兄、姉。170センチ、72キロ。右投右打。

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