【福島】福島商、18年ぶり決勝 武藤球太が先制適時三塁打の活躍

スポーツ報知
18年ぶりの決勝進出を決めた福島商ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念福島大会 ▽準決勝 福島商6―2湯本(21日いわきグリーン)

 福島準決勝は9度目の甲子園出場を目指す福島商が湯本に6―2で勝利。21日が18歳の誕生日だった2番・二塁の武藤球太(3年)が先制適時三塁打を放つなどの活躍を見せた。優勝した2000年以来、18年ぶりの決勝(22日、いわきグリーン)では、県12連覇を目指す聖光学院と対戦する。岩手準決勝では、盛岡大付が盛岡市立に6―0で快勝。同校OBで現ソフトバンクの松本裕樹投手(22)の弟、左腕・跳馬(しゅうま、3年)が公式戦初完封勝利、3年連続出場に王手をかけた。岩手決勝(岩手県営)、青森決勝(はるか夢)も22日に行われる。

 18歳の誕生日を迎えた武藤のバットが、福島商を決勝の舞台に導いた。初回無死二塁。「先制点を取ってリズムを作りたい」と、3球目の外角低めのストレートに合わせて左越えの適時三塁打。春の県大会準々決勝(3―2)では延長13回タイブレークまでもつれた相手に、強烈な先制パンチを食らわせ、チームも6―2の快勝。実は昨年も誕生日に準決勝を戦い、いわき光洋に1―3で敗れていただけに「今年は勝ててうれしい」と笑みをこぼした。

 父・賢二さん(46)は川俣高や実業団の北芝電機で投手としてプレー。そのこともあり「球太(きゅうた)」と命名された。川俣小時代はソフトボール部。硬式野球を始めたのは川俣中1年からだが、進学先を選ぶ際、福島商が自身が生まれた2000年に甲子園に行ったことを知り「この高校で甲子園に行きたい」と決意。同期の部員16人と「3年生になったときが勝負」と語り合いながら、練習を重ね、目標の甲子園まであと1勝に迫った。

 決勝では越えなければいけない大きな壁が待つ。戦後最多となる県12連覇を目指す絶対王者・聖光学院と対戦だ。昨秋は準々決勝で0―10の5回コールド、今春は決勝で3―18と2度も大敗。特に春は同戦で4失策など守備の乱れもあったことから、全体練習の多くを守備練習に割き、今大会では5試合で3失策と成果を出した。「団結力と粘りは負けない自信がある。接戦に持ち込んで最後に1点リードしていたい」と武藤。最強のライバルに勝ち、夢の甲子園切符をつかみ取る。(遠藤 洋之)

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