【山梨】帝京三、10年ぶり決勝 初甲子園まであと1

スポーツ報知
決勝進出を決め、喜びを爆発させる帝京三ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念山梨大会 ▽準決勝 帝京三6―5東海大甲府(21日、山日YBS球場)

 準決勝2試合が行われ、22日の決勝は山梨学院と帝京三の対戦となった。帝京三は東海大甲府を6―5で下し、夏は2008年以来、10年ぶりとなる決勝進出を決めた。7回無死一塁から登板したエース右腕の阪誠也(3年)が3回を無安打無失点の好救援。守備陣も3つの併殺を奪う好守でバッテリーを盛り上げ、強力打線を振り切った。山梨学院は5回からマウンドに上がったエース左腕の垣越建伸(3年)が、自己最速を更新する146キロの直球などで、甲府工から5回2安打8奪三振の力投で3連覇に王手をかけた。

 6―5の9回2死二塁。同点の走者を背負っても帝京三の背番号1は冷静だった。「思いきり腕を振るだけ。打たれても守ってくれる」。こん身の一球を相手2番・金井大翔二塁手に投げ込んだ。打ち上げられた飛球を中堅の落合雄太が捉えたのを確認すると、阪は大きく息を吐き、“相棒”の熊崎颯人捕手とハイタッチで喜びを分かちあった。

 エース右腕が、10年ぶりとなる『聖地への挑戦権』をつかみ取った。19日の準々決勝(対日川、3―2)では144球を投げ、9回完投勝利を挙げており、「体の重さはあった」と明かす。20日はノースロー調整で体力回復に努めた。阪は「いつでも投げるつもりでした」。7回から3人目のマウンドに上がると、打たせて取る投球でアウトを重ねた。直球はこの日、自己最速タイの141キロを記録。持ち味の伸びのある真っすぐを低めに投げ、スライダーも交ぜ打者11人に1本の安打も許さない“満点”救援。阪は「力のある相手に直球で勝負できた」と笑み。稲元智監督(45)も「エースらしい気持ちの入った球だった」とねぎらった。

 打撃が持ち味のチームがこの日、守備でも見せた。東海大甲府が7回無死一、二塁の好機を迎えると、後続をこの日3つめの併殺に仕留めてつぶし、阪を援護。三塁手の東小橋川(ありこばしかわ)大主将は「練習から試合形式で守備や走塁をやってきたおかげで、みんなが冷静に動けた」と胸を張った。

 決勝の相手は3連覇のかかる王者・山梨学院。「練習以上は出せない。いつも通り攻守に集中してやるだけ」と東小橋川。全員野球で悲願の初優勝へと駆け上がる。(大津 紀子)

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