【栃木】作新学院V8、高山が疲労降板も林が8回無失点

スポーツ報知
夏の栃木大会8連覇を達成した作新学院ナインは歓喜の輪を作る(カメラ・生澤 英里香)

◆第100回全国高校野球選手権記念栃木大会 ▽決勝 作新学院2―0白鴎大足利(22日、宇都宮清原)

 全国10大会で決勝が行われ、栃木では一昨夏の甲子園王者・作新学院が白鴎大足利を2―0で下し、同大会8連覇を達成した。ロングリリーフとなった2年生右腕・林勇成が8回無失点と好投し、初回に挙げた2点を守りきった。

 背中から伝わるナインのぬくもりが温かかった。栃木勢最多の8連覇。作新学院・小針崇宏監督(35)の目からは一筋の涙が頬を伝った。連覇にちなんで8度宙に舞った名監督は「準決勝、決勝と思った以上に厳しい戦いでした。僅差だったが、思いが詰まったいい試合になりました。一人ひとりの頑張りが報われた」と目を細めた。

 全員でつかんだ頂点だ。エースの高山陽成は連投の疲労が重なり、わずか1回で降板。そのバトンを受け取った林が堂々の投球を見せた。変化球を低めに集め、ゴロの山を築いた。ゴロで15個のアウトを稼ぎ、8回を5安打無失点。初回に挙げた2点を守り抜いて、チームを優勝に導いた。

 「気持ちは作っとけと言われていたので、気楽に投げられました」と言うが、ピンチが訪れる。8回に2本の単打で1死一、二塁の場面を迎えた。汗を拭って立ち直ろうとする林のもとにナインが集結した。「一個一個、丁寧にアウトをとっていけ」。一人で踏ん張ろうとしていた自分を振り払った。苦しみは消え、気持ちが楽になった。「絶対、点を取られない」。ありったけの力で投げた内角カットボールで遊ゴロ併殺打。仲間の力で窮地を乗り切った。

 昨夏の甲子園は、ボールボーイとしてしか聖地を踏めなかった。今年は戦力としてあの土を踏む。この日は最速140キロの直球が走らず、本調子ではなかったという。「大会までに自分のピッチングがちゃんとできるように成長していきたいと思います」と笑った。

 昨秋、今春と関東大会では序盤に敗退。チーム力不足を痛感し、走攻守、すべてにわたって立て直しを図った。「練習試合では初回から点数を取ることができないチームでしたが、高校生は変わるもんですね。1か月間、本当によく成長してくれたと思います」と小針監督。チームで掲げるスローガンは「奪還」。2年前に手にした深紅の優勝旗奪還を狙う。

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