【福島】聖光学院V12、復活エース衛藤が救援6回0封締め

スポーツ報知
4回から登板し、6イニングを1安打無失点に抑えた聖光学院・衛藤

◆第100回全国高校野球選手権記念福島大会▽決勝 聖光学院15―2福島商(22日・いわきグリーンスタジアム)

 福島決勝は聖光学院が福島商に15―2と圧勝し、戦後最長となる連続出場記録を更新する12年連続15度目の夏の甲子園(8月2日抽選、5日開幕)出場を決めた。エース右腕・衛藤慎也(3年)が4回から2番手で登板し、1安打無失点。右肘故障で不完全燃焼に終わった春のリベンジと全国制覇を誓った。

 空振り三振で12連覇を決めた瞬間、衛藤は右拳を力強く握り、雄たけびを上げた。「良かったーっていうのが一番。3年間の歩みが良かったんだな、と」。マウンド付近でナインと喜びを分かち合い、満面の笑みを見せた。

 準決勝から連投のエース右腕が、チームに流れを呼び込んだ。4点リードの4回から2番手で登板し、6回を1安打無失点6奪三振の快投。帽子の裏に書き込んだ「瞬間燃焼」の言葉の通り、最速144キロの直球を軸として、打者一人一人に全力投球。無四球で切り抜けても「まだコントロールが不安定な時がある。現状維持より上がっていく事が大事なので、もっと仕上げていきたい」と貪欲だ。

 2度の右肘手術から完全復活した。昨年7月、痛めていた右肘の手術を受け、ボルトを入れた。エースとして昨秋東北大会優勝を果たしたが、今春センバツ前に痛みが再発。東筑(福岡)との1回戦では3回1/3を2安打無失点で勝利へ導いたが、東海大相模(神奈川)との2回戦では、登板せずに3―12で大敗。疲労骨折していた事が判明し、センバツ後の再手術でボルトを入れ替えた。

 「投げられなくて情けないという思いもあった。でも、リハビリの期間で控えの選手が普段、どういう思いで練習を手伝ってくれているのかわかった」。芽生えた感謝の気持ちを胸に、6月の東北大会で公式戦復帰。前日(21日)のいわき海星との準決勝では、自己最速を2キロ更新する144キロをマークした。最後の夏を見据えた準備が、実を結んだ。

 斎藤智也監督(55)は「ここまでいい状態で来られるとは思わなかった。夏は衛藤と心中します」と宣言。エース右腕は「日本一を目指すのは変わらない。最高の準備をしたい」。最後の夏こそフル回転で、悲願の日本一へ導く。(青柳 明)

 ◆聖光学院(伊達市)1962年創立の私立校。生徒数738人(うち女子176人)。野球部は学校創立と同時に創部。部員数はマネジャー2人を含め、117人。甲子園出場は春5度、夏は今回を含め15度出場。主なOBは八百板卓丸(楽天)、歳内宏明(阪神育成)。

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