【岩手】花巻東、暴投&悪送球で奇跡の9回逆転3年ぶり切符

スポーツ報知
春夏連続の甲子園出場を決め、笑顔で集合写真におさまる花巻東ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念岩手大会▽決勝 花巻東4―3盛岡大付(22日・岩手県営)

 岩手決勝は花巻東が盛岡大付に4―3で逆転勝ちし、3年ぶり9度目の優勝。6回に代打で菅原颯太主将(3年)が同点適時打で存在感を見せるなど、接戦をものにし、2009年以来の春夏連続甲子園の切符をつかんだ。

 あきらめない姿に勝利の女神がほほえんだ。花巻東は2―3で迎えた9回、相手の暴投で追いつき、2死三塁、3番・田中大樹左翼手(3年)の放った打球は遊撃手正面のゴロ。「何が起こるか分からない、はいつくばってでも一塁に行く」。気迫の全力疾走が相手のミスを誘発した。送球は本塁方向にそれ、一塁セーフ、三塁走者も生還し逆転した。

 9回の守備では、中学以来経験がない瀬戸雄貴(3年)が捕手に入った。ベンチの20人中15人がこの試合に出場。総力戦で盛岡大付を下し、3年ぶり9度目の夏の甲子園出場を決めた。

 主将の菅原颯太(3年)の一打がナインの心を奮い立たせた。1―2の6回2死二塁に代打で出場。「自分の結果を求めてうまくいかなかった。この夏はチームのために打つ」。一撃に懸けるスイングが左翼フェンス直撃の同点適時打を生んだ。佐々木洋監督(42)は「流れを変えた。レギュラーを外れ、苦労してきた選手。雰囲気もよくなった。感動しました」とたたえた。

 今春のセンバツでは準々決勝進出も、優勝した大阪桐蔭に0―19と大敗。「あの試合は歓声ではなく悲鳴だった。(敗戦で)選手たちの意識改革ができたことはよかった」と指揮官。屈辱を乗り越え、勝負強い心を育てた。進化した姿を夏の聖地で示し、東北勢初の優勝を狙う。(小林 泰斗)

 ◆花巻東(花巻市)1954年に花巻商専門学院として創立された私立校。56年に花巻商、82年に現校名へと改称。生徒数642人(女子272人)。野球部は創立とともに創部。部員数120人。センバツは3度出場。主なOBは菊池雄星(西武)、大谷翔平(米大リーグ・エンゼルス)。

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