【静岡】飛龍、静高破った逆転8強!8回に深谷V打

スポーツ報知
8回2死満塁、深谷の左前2点適時打で生還した三塁走者・岡田はガッツポーズ

◆第100回全国高校野球選手権記念静岡大会▽4回戦 飛龍8―6静岡(22日・草薙)

 4回戦8試合が行われ、8強が決まった。ノーシードの飛龍はセンバツに続き春夏甲子園を狙った第1シードの静岡に最大5点のリードを許しながら、同点に追いついた8回2死満塁で、4番・深谷力主将(3年)が左前に勝ち越し2点適時打。両チーム合わせて31安打の乱打戦を制し、8―6で準々決勝進出を決めた。

 主将のバットが奇跡を起こした。最大5点あったビハインドを追いつき迎えた8回2死満塁。深谷が流した打球は左前に落ち、勝ち越し2点適時打だ。4番の決勝打に、飛龍ナインはベンチに乗り出して、喜びを爆発させた。「ここで打つためにやってきた。5点差あったけど、負ける気はしなかった」と深谷。小林能知監督代行(22)も「あそこで主将に回るのは運命を感じたし、やってくれると思った」と振り返った。

 静高には3年前の決勝で敗れるなど、03年の校名変更以降、公式戦未勝利。5回途中から登板し、4回1/3無失点で流れを引き寄せたサイド右腕の岡田周人(3年)は「自分たちは決勝で負けたのを見て入ってきた代。ずっと打倒静高でやってきたのでうれしい」と優勝候補撃破を喜んだ。

 度重なる監督交代も乗り越えた。昨秋の県準々決勝・常葉大橘戦(0●3)で、深谷の右中間への大飛球を巡って浜野洋前監督(43)が22分の猛抗議。大会後、前監督は抗議の責任を取って退任したが、後任の岩崎暢明監督(34)も、一身上の都合で今大会開幕2日後から指揮を執っていない。それでも100人を超える飛龍部員たちは「自分たちの力でやれっ、てことだと思った」と深谷主将が言うように、気持ちは折れず勝ち進んだ。

 県の頂点まであと3勝。キャプテンは「これからも厳しい戦いが続くと思うので、ここで気を抜かず、一戦一戦勝ち進みたい」。静高撃破の次は飛龍史上初の甲子園出場を目指す。(山中 優輝)

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