【南神奈川】金沢、初の4強逃す エース・田中翔也に涙なし

スポーツ報知
準々決勝で敗れた金沢のエース・田中翔也

◆第100回全国高校野球選手権記念南神奈川大会 ▽準々決勝 星槎国際湘南6―2金沢(23日・横浜スタジアム)

 公立で唯一8強入りした第1シード・金沢(横浜市立)が準々決勝で星槎国際湘南に敗れ、同校初の4強入りを逃した。

 エース・田中翔也(3年)が7回まで2失点と粘ったが、8回に5連打とスクイズで一挙4点を失った。「春の連投と比べて夏は全然違って、球が行っていなかった」。21日の横浜桜陽戦で125球を投げた翌日は今までにない下半身の張りを感じた。春は私学3強を撃破し初の第1シード獲得に貢献した右腕は無念の表情を浮かべた。

 「3年間、自分が手を抜いていたところが、こういうところで出てしまったのかもしれない」。下級生の頃は、先輩についていくだけだった。最上級生になって自覚が芽生え自主的に走り込みを重ねたが、最後の夏に思い出すのは下級生の頃の練習姿勢だった。

 それでもエースの意地は見せた。初回1死満塁のピンチでは二ゴロ併殺で切り抜けた。マークしていた相手の4番・松下壮悟には、今まで封印していたチェンジアップで4回に空振り三振に仕留めた。「春はインコースの真っすぐと外の出し入れで抑えた。自分なりに研究して前にずれる球が効くと思った」。クレバーな投球で、星槎国際湘南打線に立ち向かった。

 新たな歴史を切り開くことは出来なかったが、これからも野球を続けていくことを決めた。「春までは続けるつもりはなかったけれど、いいバッターと対戦して自分でも通用すると思った。親には負担をかけると思うけれど、大学で野球を続けたい。今日負けて、このままでは終われない」と話した。

 進学校の同校での成績は「半分より下の方」と謙遜。それでも「みんな応援に来てくれた。明日からは勉強です」。旋風を巻き起こした右腕は、次のステージでの活躍を誓っていた。

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