【奈良】奈良大付、9回大喜び一転延長へ…11回サヨナラで再び歓喜で初出場決めた

スポーツ報知
初出場に喜びを爆発させる奈良大付の選手たち

◆第100回全国高校野球選手権記念奈良大会 ▽決勝 奈良大付10x―9天理=延長11回=(28日・佐藤薬品)

 奈良では奈良大付が延長11回の乱打戦をサヨナラで制し、夏の初切符を手にした。

 サヨナラ勝ちで、夏の初切符を得た奈良大付ナインが、マウンド付近で抱き合って喜びを爆発させた。昨夏決勝で敗れた天理にリベンジ。延長11回2死満塁、植垣裕(ゆたか)が天理の4番手・前田竣也のストレートを振り抜くと、歓声と悲鳴の中、ボールは中堅手の頭上を越えた。植垣は「心臓ばくばくだった」と笑顔で振り返った。

 2度喜んだ。両チーム合わせて31安打の熱戦は、9回表に一度ゲームセットの光景になった。9―7でリードした2死満塁の守備。天理の宮崎秀太に中前適時打を打たれ、2者生還で同点とされたが、中堅・植垣の好送球で一塁走者が三塁タッチアウト。三塁憤死より二塁走者の生還が早く、球審が人さし指を立て“この1点を認める”と示したが、奈良大付ナインは“1点のみ認める”と勘違いし、ベンチを飛び出して歓喜の輪を作った。木村光は「すぐに勘違いだと分かったし、もう一度、試合に集中した。気持ちが切れたら負けていた」と188球を投げ抜いた。

 就任15年目で夏初出場の田中一訓監督(44)は感無量。大体大時代に巨人・上原浩治(43)とバッテリーを組んでいた同監督は「優勝報告? 恐れ多くてできません」と笑ったが、今夏は大体大卒の監督が率いる中央学院(千葉)、白山(三重)、鳥取城北、益田東(島根)が既に甲子園出場を決めており「ぜひ、対戦したい」と心躍らせた。

 過去1度だけ甲子園に出場した15年春センバツは初戦敗退。田中監督は「目標? 優勝…いえ、一つ一つ頑張ります」。笑顔で訂正したが、天理を破った奈良代表のプライドを胸に聖地へ入る。(田村 龍一)

 ◆奈良大付(奈良市) 1925年創立の私立共学校。正強から96年、現校名に。野球部は60年創部で部員96人。センバツ出場は1度。主なOBは中島浩一(元西武)、八馬幹典(元横浜)、歌藤達夫(元巨人)。

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