光星4番・東、2発で夏20勝「めっちゃ、うれしいです」

スポーツ報知
1回2死三塁、先制の右越え2ランを放った八戸学院光星・東

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第7日 ▽1回戦 八戸学院光星9―8明石商=延長10回=(11日・甲子園)

 1回戦で八戸学院光星(青森)が、明石商(西兵庫)に延長10回の末、9―8で競り勝った。4番・東健太郎左翼手(3年)が先制2ラン&ソロ弾と2本塁打。2年前の逆転負けが脳裏をよぎる展開のなか、粘り強く勝利をつかみ、同校の夏通算20勝、仲井宗基監督(48)の甲子園通算20勝となった。12年連続出場の聖光学院(福島)は2回戦で報徳学園(東兵庫)に2―3で敗れ、初戦敗退。エース右腕・衛藤慎也(3年)が自己最速更新の146キロを出すなど好投も、相手のドラフト候補・小園海斗遊撃手(3年)に3本の二塁打を許し、力尽きた。

 1本目は弾丸ライナーで右翼ポール際に、2本目は高々と左翼席へ、八戸学院光星・東が2本のアーチをかけた。1回2死三塁では真ん中高めのチェンジアップを引っ張り、5回は先頭打者で外角直球を強打。「1本目は何を打ったか、覚えていない。2本目は逆らわず外角を狙った。(2本塁打は)めっちゃ、うれしいです」と東は満面の笑みだ。

 東の先制弾などで、4回表を終えて7―1と6点リード。だが、そこから、甲子園の魔物にのみ込まれかけた。4回に4点、7回に3点をそれぞれ失って8―8と同点。最大7点差がありながら逆転サヨナラ負けした、16年夏2回戦・東邦戦の“悪夢”がよぎった。

 当時1年でアルプス席にいた東は、「(2年前と)全く一緒で嫌だった。左翼にいても声がすごかった」。この日も味方投手がボール球を投げるだけで球場が沸くなど、地元の声援を背にした明石商に攻められたが、2年前とは違った。6回以降わずか2安打も、10回に1点を勝ち越し。仲井監督も「必ずもつれると言い聞かせていた。一度も勝ち越しを許さなかったのが結果につながった」。試合2日前の9日、2年生部員が闘病の末に死去。亡き友への思いも力に変え、甲子園の魔物を一丸となって追い払った。

 この日、5打数3安打4打点の東は、ホームランボールについて「両親にあげたい。青森まで行かせてくれたので」と再びにっこり。第11日(15日)第4試合で当たる龍谷大平安(京都)との2回戦へ、東は「平安は伝統校。自信を持って臨みたい」と言葉に力を込めた。次戦も主砲の一撃で勝利を引き寄せる。(有吉 広紀)

 ◆東 健太郎(あずま・けんたろう)2000年9月9日、大阪・堺市生まれ。17歳。小2で野球を始め、上野芝中では和泉ボーイズに所属。八戸学院光星では2年秋から左翼のレギュラー。この日の2本を加え、高校通算10本塁打。180センチ、80キロ。右投左打。家族は両親と弟、祖父母。

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