前橋育英・恩田、9回無死満塁で足つった

スポーツ報知
役員に付き添われてベンチに引き揚げる前橋育英・恩田

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第9日 ▽2回戦 近江4x―3前橋育英(13日・甲子園)

 不屈の闘志で投げた。9回無死満塁のピンチで、前橋育英のエース・恩田慧吾は右足のふくらはぎをつりながら志願の続投。ベンチで治療を受けた後の143球目は中前へ。「全力を尽くしたので悔いはありません」と言い切った。

 春夏連続で甲子園に出場した昨年と比べ、有力選手が不在。そのチームに光を差し込ませたのが恩田だ。「何事も全力でやるのがあの子のよさ。(彼の)ピッチングで周りが非常に勇気を持った」と荒井直樹監督(53)。この日も最後の場面は「代えるつもりはありませんでした」。

 群馬大会決勝では春季関東王者・高崎健康福祉大高崎に逆転勝ち。甲子園でも1勝を挙げた。「弱さを強さに変えられた。誇りに思います」と恩田。指揮官も「こういうチームで勝つことが、新たな伝統になっていくと思います」と“谷間の世代”の奮闘をたたえた。(増田 寛)

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