大垣日大・阪口監督、74歳でも続投意欲「こんな仕事はない」金足農・吉田攻略できず惜敗も

スポーツ報知
金足農に敗れ、引き揚げる大垣日大・阪口監督(左端)とナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第10日 ▽2回戦 金足農6―3大垣日大(14日・甲子園)

 精も根も尽き果てた。2点を追う3回、杉本幸基の左前2点打で同点としたが、金足農・吉田輝星を攻略できずに敗退。春夏通算38勝の名将・阪口慶三監督(74)は、よろめきながらお立ち台に上がり「悔しい。もう少し点が取れると思った」と声を振り絞った。

 記念大会にかける思いは強かった。「(100回出場は)言葉では言い表せない。監督冥利に尽きる」と話していた。例年は夏の大会が開幕する1週間ほど前から寮に泊まり込んで“本番モード”に突入するが、今年は2か月前から。長い時は朝5時から夜の11時まで指導にあたった。

 エースで4番の修行恵大は「去年は朝練習もやらなかった。先生の何が何でも100回大会に出る、という気持ちがすごく伝わってきた」と振り返る。かつて、鬼の阪口と呼ばれた老将の課す猛練習は厳しかったが「先生に負けてられないと思った」。孫以上に年の離れたナインに、大いに刺激を与えた。

 今後について老将は「勤め人だから先のことは言えん。一年一年が勝負」と明言こそ避けたが、「純粋な生徒たちと一緒にできる、こんな仕事はない」。老いてもなお、甲子園への熱き思いが冷めることはない。(森下 知玲)

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