龍谷大平安、15年ぶり16強で京都勢の春夏通算200勝目王手 西武・銀仁朗いとこから17安打猛打ショー

スポーツ報知
3回無死一、三塁、中前適時打を放つ龍谷大平安・松田(捕手・秋山=カメラ・石田 順平)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第11日 ▽2回戦 龍谷大平安14―1八戸学院光星(15日・甲子園)

 龍谷大平安(京都)が春夏通算101勝目を挙げ、夏は15年ぶり、2008年に現校名になってからは初の16強入りを決めた。西武の炭谷銀仁朗捕手(31)をいとこに持つ主将の松田憲之朗(けんしろう)遊撃手(3年)が3安打1打点と活躍。中京大中京(愛知)に次ぐ史上2位の夏61勝目となり、京都勢の春夏通算200勝目に王手をかけた。

 100勝の重圧から解放された龍谷大平安ナインが、伸び伸びと打ちまくった。「1試合目と違って、余裕を持って打席に入れた」。松田が4番らしく、猛打ショーの幕を開けた。

 主将は0―0の2回、左前に甲子園初安打を放った。1死二、三塁とし、佐野夢人の三ゴロで松田は好走塁。先制のホームを踏んだ(記録は野選)。終わってみれば、17安打で同校歴代5位の14得点。3安打1打点で、2回に好守も披露した松田は、「持ち味のつなぐ野球で大量得点が取れた」と、充実感を漂わせた。

 13日の練習で打撃に納得がいかなかった松田は、原田英彦監督(58)から「なんで下を見んねん? 上向いてやれ!」と、カミナリを落とされた。力が入り過ぎていたため、「お前は(漫画の)ジャイアントロボか!」と、ありがたくないニックネームまでつけられた。肩幅が広く、これまでも「ハンガー」など、愛情を込めたあだ名で呼ばれていたが、「また新しいのをつけてもらった」と、苦笑するしかなかった。

 鳥取城北との1回戦で、史上2校目の通算100勝を達成。「できなければ(京都を)歩かれへん。腹切らなあかんと思っていた」と、原田監督は振り返る。当日の夕食にはタイが並び、大阪桐蔭の西谷浩一監督(48)からは、赤いバラのプリザーブドフラワーつきの祝電が届いた。「でかい体をしているのに、かわいいことしてくれて」と、心遣いに感謝した。

 夏61勝目で、松山商を抜いて単独2位になった。「憧れの松山商ですから、うれしい」と指揮官。京都勢通算200勝にも王手をかけた。「大会前から『1勝は平安のために、3勝は京都のために頑張ろう』と話していた」と原田監督。恒例の「最高だぜ~」も、2試合続けて応援席前で披露した。「いずれ僕、怒られますわ。でも、やらないと次につながらない。周りを見ながらやります」。日大三との3回戦でも、原田監督はやる気満々だ。(伊井 亮一)

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