済美14年ぶり8強 “鉄腕”山口直1失点完投 3試合で414球

スポーツ報知
1失点完投で勝利した済美・山口直

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第12日▽3回戦 済美3―1高知商(16日・甲子園)

 済美が山口直哉投手(3年)の1失点完投で、初出場で準優勝を飾った2004年以来のベスト8進出を決めた。2回戦では星稜(石川)と激闘を繰り広げ、184球を1人で投げきった兵庫・淡路島出身のエースは、140キロ台の直球に、スライダーやチェンジアップを織り交ぜ、8安打7奪三振。コントロールが冴え「夏に向けてしっかり磨いてきたので」と胸を張った。

 愛媛大会から全8試合を全て1人で投げてきている。この日も121球を投げ、これで甲子園でも3試合で合計414球を投じた。疲労を考慮し、中矢太監督はこの試合で先発させるかどうか悩んだというが「昨日のピッチングもいい状態だったし、本人、トレーナーとも相談して。太鼓判を押してくれたので。よし、いくぞと」とエースと“心中”することを決めた。

 その期待に山口直も好投で応えた。練習では短いダッシュを繰り返すことで、体力強化に務めてきたといい「夏の大会の前から先発完投でいくと監督からも言われていました。スタミナには自信があるので、疲労も特になかった」と何食わぬ顔。次戦の報徳との準々決勝でも「先発完投します」と力を込めた。

 鵜久森(ヤクルト)や福井(広島)を擁し、初出場で準優勝という衝撃を聖地に刻んだあの夏から早14年。再びミラクルを起こすことはできるのか、全ては山口直の鉄腕にかかっている。

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