金足農OB・豪風「1点を大事にする野球して」後輩へエール

スポーツ報知
金足農OB・豪風

 東北勢で唯一勝ち残っている金足農(秋田)が16日、第13日(17日)第2試合の3回戦・横浜(南神奈川)戦に向け、大阪・豊中市内のグラウンドで練習を行った。

 2戦で計27奪三振の150キロ右腕・吉田輝星(こうせい、3年)は、最初から“フルパワー”で臨むと気合十分。2回戦の大垣日大(岐阜)戦で背中にセミが止まったまま適時三塁打を放った菊地彪吾(ひゅうご)右翼手(3年)は、この日も左腕に止まったセミを吉兆にエースを助ける。また金足農OBで大相撲・十両の豪風(39)=尾車部屋=が、母校にエールを送った。

 金足農OBの十両・豪風(1998年卒)が、8強入りをかけて強豪・横浜に挑む後輩にエールを送った。「結果はネットで常に確認しています。伝統の“1点の重み”を実感した野球をしてほしい」。連日、バスで最低3時間という過酷な夏巡業の移動の疲れも、母校の快進撃が癒やしてくれるという。

 相撲部と野球部。親元を離れて下宿生活をしていた豪風と同じ屋根の下で野球部員も生活していた。「野球部の先輩はテレビゲームでもバントするんです。うちは3番、4番でも犠打をさせる。1点を大事にするメンタルが染みついていましたね」

 練習も厳しく、午前中は元気が良かった同級生の野球部員が放課後間近になると、「あと15分の命だ…」とこぼしていたという。大会間近は「スタミナをつけるためにみんなニンニクを食べるので教室が臭かったんですよ」と苦笑いして思い出を披露した。

 今回の巡業は母校から贈呈された化粧まわしで土俵入りをしている。「後輩の活躍は誇らしくて鼻が高い。母校愛、強いですから」。甲子園決勝の予定日(21日)は故郷・秋田での巡業中。地元で後輩たちが深紅の優勝旗をかけて戦う姿を見届けるのを、心待ちにしている。(網野 大一郎)

 ◆豪風 旭(たけかぜ・あきら)本名・成田旭。1979年6月21日、秋田・北秋田市出身。39歳。金足農から中大に進み4年で学生横綱。02年夏場所で初土俵を踏み、大卒力士として歴代1位の幕内在位86場所を樹立。得意は突き、押し。家族は夫人と1男1女。

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