大阪桐蔭・中川、逆転V二塁打!1年前の悪夢を払拭…西谷監督52勝歴代単独3位

スポーツ報知
2番手で好救援を見せた大阪桐蔭・柿木(右)は、試合後に捕手の小泉とグラブタッチ(カメラ・泉 貫太)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第12日 ▽3回戦 大阪桐蔭3―1高岡商(16日・甲子園)

 センバツ王者の大阪桐蔭は、苦しみながら“鬼門”を突破。昨年、逆転サヨナラ負けを喫した3回戦で、高岡商(富山)の148キロ左腕・山田龍聖(3年)に5回まで10三振を奪われるなど大苦戦。それでも、中川卓也主将(3年)の逆転2点二塁打などで競り勝ち、4年ぶりの準々決勝進出を決めた。

 1年前の悪夢を払拭した。0―1の3回1死一、二塁、大阪桐蔭の中川が左中間へ逆転2点二塁打を放った。「主将としても3番としても、あの1打席は大きな借りを返せた」と、珍しく右手を突き上げた。

 昨夏の甲子園は仙台育英との3回戦で敗れた。「あの日を忘れたことは一日もない」。宿舎に帰ってからも涙が止まらなかった。当時の福井章吾主将(現慶大)から「お前が折れたら、チームが折れるぞ!」と慰められ、帽子のツバに「主将力 キャプテンでチームは変わる!」と書いてもらった。

 昨夏3回戦と同じ4試合目で一塁側だった。「同じシチュエーションで、チームがどれだけ成長したのか、野球の神様に『どれだけ成長しているか』を試されている気持ちだった」と西谷浩一監督(48)。9回のマウンドに柿木蓮が立っていたのも一緒だった。仙台育英戦と同様に「判官びいき」のような大声援が高岡商を後押しした。

 残酷過ぎる敗戦を経験し、選手はたくましくなった。2死二塁の場面でマウンドに集まり、山田健太が「仙台育英(みたい)やん」と、あえて昨年を思い返す余裕があった。中川も「去年の二の舞いにならないぞ!」と闘魂を注入。春夏通算52勝目で単独3位に浮上した西谷監督は「中川が殻を破ってくれた」と褒めたたえた。

 今秋ドラフト1位候補の根尾昂と藤原恭大が計1安打に封じられ、5回までに10三振を喫した。「これほど苦しい試合は、今までなかったんじゃないか。力がグンと上がるチームが最後まで生き残る」と中川。準々決勝で対戦する浦和学院とは春の練習試合で1勝1敗。夏のクライマックスも、大阪桐蔭は難なく突破する。(伊井 亮一)

 ◆昨夏の大阪桐蔭―仙台育英戦VTR 

 春夏連覇を目指した大阪桐蔭が1点リードの9回2死一、二塁、平凡な遊ゴロに打ち取りながら、一塁の中川卓也(2年)がまさかのベース踏み損ね。動揺した柿木蓮(2年)が、2死満塁から左中間への逆転サヨナラ打を浴び1―2で敗退。センバツから続く大阪桐蔭の公式戦連勝は26でストップ。

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