金足農“戦闘集団”率いる主将・佐々木大夢、夢つないだ打

スポーツ報知
3回2死、右越えに三塁打を放つ佐々木夢

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第13日 ▽3回戦 金足農5―4横浜(17日・甲子園)

 金足農(秋田)が横浜(南神奈川)に5―4で逆転勝ちし、1995年以来23年ぶりの8強入りを決めた。2番・左翼の佐々木大夢(ひろむ)主将(3年)が3回に右中間を破る三塁打を放ち、3番・投手の吉田輝星(こうせい、3年)の同点弾につなげるなど、3打数2安打の活躍。ぶつかり合いながら深めたチームの絆で勝利を引き寄せた。第14日(18日)の準々決勝は、第4試合で近江(滋賀)と対戦する。

 主将の意地のひと振りが、3回の同点弾を呼び込んだ。2点を追う3回2死、金足農・佐々木夢主将が右中間へ三塁打。次打者・吉田のバックスクリーン弾につながり、「落ちるのを願って走った。(吉田には)ホームラン狙え! と声をかけてました」と振り返った。

 8回の6番・高橋佑輔一塁手(3年)の逆転3ランには、「打ってくれると信じていた。決める男だと思っていました」と信頼を口にした主将。秋田大会前に行った学校での合宿では、「けんかするほど(レギュラーの)9人がぶつかり合った。(高橋とは)一番言い合ったんじゃないかな」(佐々木夢主将)。ミス一つ、凡打一つでも厳しく指摘し合い、チームのレベルや意識を上げることを徹底。それまではスタッフ陣が「仲良し集団というか、傷のなめ合い」と評していたチームが意識を高め、劣勢にも負けない“戦闘集団”へと変わった。

 チーム最高成績に並ぶ4強入りをかけた近江との準々決勝へ、「自分たちの野球をやれば負けない。次も笑顔でいきたい」と胸を張った背番号7。2、3回戦と吉田の力投に打線が応える劇的勝利が続いた金足農が、勢いのまま頂点まで駆け上がる。(有吉 広紀)

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