敗退した3779校の選手たちへ…3年夏の敗戦後、光星学院・坂本勇人がつかんだ「極意」

スポーツ報知
光星学院時代の坂本勇人。3年夏の敗退後も練習を重ね、プロで活躍する土台を創った

 100回目の夏の甲子園は21日に金足農・大阪桐蔭の決勝戦が行われる。参加3781校の頂点にたつのはわずか1校だけ。全国制覇がかなわずに涙する選手。「『負けたことがある』というのがいつか大きな財産になる」とは青春漫画の金字塔「スラムダンク」の名言だが、超一流選手を取材していると、まさにその通りだと感じる。

 「(3年夏までの)現役の時より練習していた。一番練習していたと思う」と振り返るのは、巨人の坂本勇人内野手だ。光星学院(現八戸学院光星)3年夏は青森大会決勝で負けて全国大会に届かず。「お金を積まれても高校の練習はしたくない」というほどの練習嫌いだったが、敗退後は後輩たちと毎日練習へ。プロで活躍するには何が足りないのかを自己分析し、最低3時間はティー打撃などでバットの軌道修正に取り組んでいたという。

 高校時代の得意コースは外角低め。インパクト時に左脇があく癖があってアッパー気味にバットが出ていたが、内角に対してスムーズにダウンスイングが出来るように練習していたという。

 「プロで内角が打てるようになったのは、あの頃の練習が基礎になっているはず」とは恩師の金沢成奉氏(明秀学園日立監督)。「天性の内角打ち」と呼ばれるが、実は3年夏後の自主練習につかんだ技術。いかにプロ入りまでの“自由時間”が大事かを物語るエピソードだ。

 花巻東3年夏に岩手県大会決勝で敗れたエンゼルス・大谷翔平投手も「そこ(甲子園)が全部ではない。行けなかったとしても必ずプラスになることはたくさんある」と話していた。プロでの活躍を志す3779校の3年生にとって闘いは、もう始まっている。

(記者コラム・小谷 真弥)

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