悪夢の敗戦から1年…大阪桐蔭を支えてきた「春夏連覇しよう」の強い思い

スポーツ報知

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第15日 ▽準決勝 大阪桐蔭5-2済美(20日・甲子園)

 大阪桐蔭(北大阪)が済美(愛媛)に逆転勝ちし、史上初の2度目の春夏連覇に王手をかけた。序盤は一進一退の攻防が続いたが、5回に打者一巡の攻撃で3点を挙げ、試合を決めた。豊富なデータで、ここまで粘投を続けてきた済美の好投手・山口直を攻略。それでも西谷浩一監督(48)は「苦しい試合になった。やりにくい、しぶといチームでした」と相手を称え、そんな中で挙げた勝利の味をかみしめた。

 春夏連覇を目指した昨年は、8月19日に行われた3回戦で仙台育英にまさかの逆転サヨナラ負けを喫した。その翌日に新チームを発足させ「春夏連覇しよう」と選手と約束した。その誓いからこの日でちょうど1年、ひとつずつ白星を重ね、偉業達成まであと一歩のところまで上り詰めた。「みんなの力を合わせてやっと決勝までたどりつけた。苦しい試合ばかりで何とか粘り勝ってきた。昨年の3年生の分も2年分の思いを持って、必ず連覇を達成したい」。志半ばで夢破れた教え子の思いも背負って、21日の決勝戦に挑む。

 対するは今大会で大旋風を巻き起こしている金足農(秋田)だ。相手エースの吉田について指揮官は「高校生では一級品のピッチャー。ピッチャーとして完成されている。吉田くんを打つことがひとつのポイント」と分析。チームについても「快進撃というより実力じゃないかと思います。もっとも勢いのあるチーム」と警戒した。4年ぶりの決勝戦に向け「明日勝たないと意味がない」と気合も十分。貪欲に100回の記念大会の頂点を狙いにいく。

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