金足農、体育館で100人PV…宮腰農場長「すごいのひと言」

スポーツ報知
メガホンを手に歓声を上げる生徒たち。高校の体育館から声援を送った

 9回2死、吉田が最後の打者を142キロの直球で中飛に打ち取ると、金足農の体育館は大歓声に包まれた。集まった生徒や職員、卒業生ら約100人は、スクリーンに映し出されるナインの姿に合わせ、体を反らせながら勝利の校歌を高らかに歌い、喜びを爆発させた。

 吉田と同じ環境土木科で学ぶ男子バスケ部の谷地祐星さん(3年)は、「素晴らしい、誇らしいです」。と興奮気味。クラス替えがなく1年から親交を深める谷地さんは、「(吉田は)明るくて面白い。他のクラスとの交流はあんまりないのですが、あれだけ活躍したら、もうモテること間違いなしですね」と同級生のイケメン右腕をたたえた。

 金足農ナインは、学校では家畜や農作物を育てるなど、農業を通じ命と向き合う生活を送っている。準々決勝の近江戦でサヨナラ2点スクイズを決めた菊地彪吾(3年)が学ぶ造園緑地科で農場長を務める宮腰明さん(47)は「教室では一番前の席、視野の広い気配りのできる子です」と学校での姿を明かすと「すごいのひと言」と103年ぶりの決勝に進んだ教え子に目を細めた。

 宮腰さんは「生きるということは誰かの力を借りているということを彼らは分かっている。甲子園でも、お互いを高めあい、10の種をまいて12、13の収穫ができるくらいの成長を見せてくれている」。頂点まであと1試合。東北初の優勝旗という最高の実りへ、期待を寄せた。(小林 泰斗)

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